2025.06.18 低損失のMOSFET製品を日本展開 タイワン・セミコンダクター
PerFETは40V~150Vまで製品ラインアップをそろえる予定
ダイオードからアナログICまでを手掛けるタイワン・セミコンダクターは18日、日本でスイッチ素子のMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)市場に本格参入すると発表した。同社売上高の6割以上を占める車載・産業機器向け製品は日本で需要が高い。低い電力損失を武器に、国内市場への展開を加速する。
同社は参入を機に、「PerFET 80Vシリーズ」と「PerFET 100Vシリーズ」の販売に乗り出した。独自のデバイス構造「PerFET」を採用したMOSFETの新シリーズで、高効率化のため注目を集める48V(ボルト)システムなど高電圧に対応する。
具体的には「FOM(Figure of Merit)」と呼ばれるMOSFETの性能指標で、業界トップクラスを実現した。用途は、車載や通信基地局に加えて、世界各地で新増設が相次ぐAI(人工知能)向けデータセンターへの展開も想定している。
台湾に本社を構える同社は、2003年に日本オフィスを開設した。現在、日本でのシェアの90%以上はダイオードが占め、MOSFET製品の割合は低い。それでも自動車や産業機器に代表される日本の製造業は競争優位にあり、同社はそうした産業をMOSFET製品を通じて後押ししたい考えだ。7月には自動車産業が盛んな名古屋市にオフィスを開設する予定。
日本法人でカントリーディレクターを務める佐藤正信氏は「ヨーロッパですでに実績のある製品を日本に展開することにメリットがある」と強調した。