2025.10.23 酢飯も簡単に 業務用IH炊飯ジャー共同開発 象印と鈴茂器工
共同開発を進める業務用IH炊飯ジャーNW-QSZ18A(写真はイメージ)
象印マホービンは、寿司ロボットなどを手掛ける食品加工機械メーカーの鈴茂器工(東京都中野区)と共同で、飲食業界が抱える課題を解決する新機能搭載の1升炊き業務用IH炊飯ジャー「NW-QSZ18A」を開発する。
象印が持つ高い炊飯技術に基づき製品化し、米飯加工ロボットなどとセットで鈴茂器工オリジナル商品として2026年4月1日から飲食店向けに販売。アフターサービスに至るトータルサポートを展開する。
業務用分野では、一般的に2~3升炊きの大容量ガス炊飯器が使われることが多く、小容量のIH炊飯ジャーが使われることは少ない。ただ、1升炊き業務用IH炊飯ジャーの場合、大容量ガス炊飯器と比べご飯の炊きすぎによる食品ロスの軽減や、炊きムラを抑えおいしく炊き上げるなどの点で優れている。
象印では、以前から独自の炊飯技術を活かした1升炊き業務用IH炊飯ジャーの展開に力を入れている。今回の共同開発は、鈴茂加工が同社の炊飯技術に目を付け、3年前にスタートした。今後両社の強みを生かし、業務用分野で相乗効果を発揮したい考えだ。
開発したNW-QSZ18Aは、水量のばらつきを炊飯フローで調整する「水量補正機能」を搭載する。炊飯容量を事前に設定しておくことで、正しい水量でない状態で炊飯した場合でも、水温変化による誤差を感知し、最適な炊き上がりになるよう自動調整する。1~5合は加水量の±5%、6~10合は±100ml補正。これにより、常に安定したおいしいご飯を提供できるようになる。
釜内の温度をより正確に検知するセンサー機能で、炊飯時間の短縮も実現する。
また、高まる寿司ニーズに応え、米と酢を一緒に入れて炊飯できる「かんたん酢飯」コースも搭載する。
酢飯作りは「炊飯後の酢合わせ」に高い技術や手間がかかる上、専用機器を置くスペースが必要で、導入には大きなハードルがある。
新コースは、あらかじめ専用(内堀醸造製)の酢を入れて炊飯することで、炊飯と酢合わせの工程を一体化でき、作業効率の向上、専用機器の導入が不要となる。
販売価格は決まっていないが、鈴茂器工では7万円前後で販売する見通しだ。
象印は、大阪・関西万博に出店したおにぎり専門店(オニギリ・ワウ!)で、鈴茂器工が開発したおにぎりを半自動で製造する「ふんわりおむすびロボット」を導入するなど、連携を深めている。