2025.12.19 アルプスアルパイン、分解能2倍の地磁気センサーを販売開始 VR市場の新規開拓目指す

HSCDTD015A

 アルプスアルパインは、従来品の後継モデルとして、ほぼ同等サイズで分解能を2倍に高め、ノイズを3分の1、消費電流を約半分に抑えた新型3軸地磁気センサー「HSCDTD015A」を販売開始した。従来の分解能では対応が難しかった高精度な角度検出が求められるVR機器などへの採用を目指す。

 同社の現行モデル「HSCDTD008A」は、主にスマートフォン向けに開発され、販売開始から約12年が経過していた。近年、VR機器や高性能スマートデバイスの普及によって、より高い分解能と低ノイズ性能を兼ね備えた地磁気センサーが求められている。こうした市場ニーズに応えるため、極小サイズを維持しながら性能を大幅に向上させたHSCDTD015Aを開発した。

 新製品は、200Hzの高速応答に対応し、頭部の向き検出やセンサーフュージョンによる姿勢推定など、VRやAR機器に求められる精密な姿勢制御用途にも使用可能。省電力設計により、スマホやウエアラブル機器にも適している。主な用途は、スマホ、VR/AR機器の向き・位置検知、駐車場やモビリティー機器の位置検知システムなど。

 同社では今後、さまざまな市場の顧客への提案を推進し、販売目標は、2029年までに年間590万個の量産を見込む。

 HSVDTD015Aの仕様は、外形サイズは1.55×1.55×高さ0.62mm。測定磁界範囲は+-2.4mT。消費電流は369μA typ(ODR=100Hz)/19μA typ(スタンバイ)。駆動電圧はアナログ部1.6V~2.0V、デジタル部1.14V~AVDD。使用温度範囲-40~+85℃。出力分解能0.075μT/LSB。ノイズ0.1μT。