2026.03.20 日米両政府、対米投資第2弾発表 次世代原発・天然ガス発電に11兆円超

日米首脳会談(出所:首相官邸ホームページ)

 日米両政府は、米ワシントンで19日に行われた高市早苗首相とトランプ大統領の首脳会談に合わせ、日米間の戦略的投資に関する共同発表を行った。関税合意に基づく対米投融資の対象プロジェクトの第2弾となる3事業を発表したもので、次世代原子力発電所の小型モジュール炉(SMR)や天然ガス発電所の建設などが対象。事業規模は、推定で最大730億ドル(約11兆5000億円)となる。

 共同文書によると、テネシー州とアラバマ州にSMRを建設するプロジェクトの規模は最大400億ドル。先進的なSMRの商業化について両政府は、「次世代の大規模な安定電源をもたらし、米国国民の電力価格を安定させるとともに、世界的な技術競争における日米のリーダーシップを強化する」と打ち出した。

 天然ガス発電所の計画では、ペンシルベニア州での建設に最大170億ドル、テキサス州での建設に同160億ドルを充てる。両政府は、人工知能(AI)向けデータセンターの増加に伴い膨らむ電力需要に触れ、「急速に増大する電力需要を満たす上で極めて重要な役割を果たす」と表明した。これらを経済安全保障上重要な戦略分野とも位置付け、この分野でのサプライチェーン(供給網)の構築に向けた協力を強化する方針も示した。

 第2弾のプロジェクトについて高市首相は記者会見で、「国際的な電力需要が急速に増大する中で、中東情勢を含む現下の状況に照らしても非常に重要だ」との認識を示した。

 両政府はこれらのプロジェクトを経済成長にもつなげたい考えで、日本企業にとっては関連ビジネスを拡大する好機となる。経済産業省によると、さらなる作業を経て投資の実施に至った場合には、SMRの建設プロジェクトでは、日立GEベルノバニュークリアエナジーやIHIなどが関連機器を納入することが期待されるという。天然ガス発電所の建設が国内企業へ利益をもたらすことにも期待感を示した。

 2月には第1弾として、工業用の人工ダイヤ製造プロジェクトに加えて、米国産原油の輸出インフラプロジェクトや天然ガス発電プロジェクトについて発表した。