2026.03.30 【タイ経済最新動向企画】インフィニオンテクノロジーズ AIデータセンター関連の投資急増、産業構造の転換進む

建設中の新工場外観

新工場内部のクリーンルーム新工場内部のクリーンルーム

リムMD・SVPリムMD・SVP

タイ新工場、今年末稼働予定 先進技術と最新設備を導入し、先進後工程に対応

 独インフィニオンテクノロジーズは、サムットプラカーンに新工場「インフィニオンテクノロジーズマニュファクチャリング(タイ)」を建設している。2026年末までに稼働開始を予定しており、グローバルでの生産体制の多様化とサプライチェーンのレジリエンス強化を実現する重要な役割を担う。

 新工場はウエハーテストや後工程の全プロセスを主軸とし、研究開発(R&D)活動も行う。最先端かつ高度に自動化された製造施設となる計画で、製造される製品は自動車、産業用オートメーション、再生可能エネルギー向けなど多岐にわたる。

 リム・ウェイ・クー マネージングディレクター(MD)・シニアバイスプレジデント(SVP)は「新工場は先進的な組み立て・試験ラインや最先端のクリーンルームなど幅広い新技術と設備を備える。新工場稼働によって生産能力を拡大する選択肢が増え、より複雑で高付加価値な半導体の生産に注力していく」と話す。

 同社は以前からタイに後工程工場を有しており、半導体の組み立てやテストを行ってきた。旧工場はOSATパートナーであるCarsem社に譲渡。今後はCarsem社からサービスと製品供給を継続することで、同拠点を多様に活用していく。効率性と柔軟性のある自社製造と信頼できるOSATのパートナーシップを組み合わせるという戦略のもと、グローバルにおける製造拠点全体を最適化する。

 新工場は生産効率とコスト競争力を最適化するため、ロボット、機械学習、データ分析の活用など、さまざまな先進技術や最新設備を導入している。また柔軟性にも優れ、変化する顧客のニーズや生産スケジュールに対応することが可能。継続的な改善を重視し、生産プロセスを定期的に見直し、評価することで改善すべき点を特定していく。

 近年、チップレットや2.5/3D実装などの先進パッケージング技術が進展し、後工程の技術革新が進む。同社では高度なパッケージング技術、ウエハーテスト、IC最終テストなどは次世代半導体を実現する上で極めて重要な役割を果たすと考えている。先進後工程の分野で競争力を維持するため、新工場においても必要な投資を継続していく。

 そうした中で重要となるのが人材。「先進パッケージングへの移行には新たな技術や設備の操作を迅速に習得し、オペレーターからのサポートを最小限に抑えながら生産プロセスの変更を行える高度なスキルを持つ専門人材が必要」(リムMD・SVP)とし、人材育成にも取り組んでいく。

 同社は大学や地元企業との緊密な連携を通じて、先端半導体に関する専門人材育成に取り組んでいる。タイ政府やBOIも研修プログラムや投資優遇措置などの施策を実施し、この取り組みを支援している。

 リムMD・SVPは「タイの強みは高度なスキルと豊富な経験を持つ従業員からなる労働力、整備されたインフラ、政府・BOIからの支援、東南アジアおよび他主要市場に容易にアクセスできる戦略的な立地など数多くある。当社はタイで高品質な半導体を製造してきた長い歴史があり、信頼性と顧客満足で確かな実績を持つ。新工場稼働後も市場の需要に応じて今後数年間で段階的に生産を拡大する計画。タイへの投資を継続し、エレクトロニクス産業の発展に貢献していく」と話す。