2026.04.07 日立工業専修学校、「デジタル匠」育成へ サイバー・フィジカルの融合システム導入

サイバーとフィジカルを融合した先進教育システム「Cyber-Physical Lab」(提供:日立製作所)

 日立製作所は、ものづくり人材を育成する日立工業専修学校(茨城県日立市)が、デジタル空間(サイバー)と製造設備がある現場(フィジカル)を連携させた先進教育システムを日本で初めて全面的に導入したと発表した。次世代の製造現場を支える「デジタル匠」の育成を強化することが狙い。

 日立運営の同校は今回、ドイツの Festo (フェスト)が提供する先進教育システム「Cyber-Physical Lab」を採用し、次世代のものづくりを担う人材の育成に向けた新たな教育カリキュラムを開始した。

 同システムは、物理的な生産ラインと制御プログラムがリアルタイムに連動する様子を可視化し、先進技術で製造現場を高度化するスマートファクトリーの基本構造を学習できる。日立は、スマートファクトリー化を見据え、従来の匠の技とデジタル技術の知見を併せ持つデジタル匠を育てる。

 具体的には、現場で収集したセンサーデータをMES(製造実行システム)や ERP(企業資源計画)といったシステムに連携・集約し、全体の最適化へつなげる仕組みを体系的に学べるようにした。さらに、コンピューター上で立体的な設計を行うためのソフトウエア「3D-CAD」や、CAD で生成された設計データをもとに加工に必要な指示や制御プログラムを生成するソフト「CAM」に関する教育も実施。人が培った溶接の技能をロボットに学ばせる方法も習得できる。

 日立は、現場で培ったドメインナレッジ(専門知識)にAIを組み合わせ社会インフラの変革を支援するソリューション群 「Lumada 3.0」を展開し、ロボットや設備を自律的に制御する「フィジカルAI」にも注力している。同校は、こうした事業を人材面から支えていく。同校は、日立創業と同年の1910年に徒弟養成所として創立。以来、1万人を超えるものづくり人材を日立グループに輩出してきた。