長期保管製品も安心・安全に継続供給
ロチェスターエレクトロニクスは、世界の主要半導体メーカーが生産中止した(EOL)製品をオリジナルメーカーに代わって継続的に供給する半導体メーカーおよび代理店。グローバルで70社を超える半導体メーカーとパートナーシップを結び、高い品質の製品供給を行っている。
同社が提供する継続供給サービスは、パートナーである半導体メーカーから移管された製品在庫を供給するケースとウエハから再生産するケースの2種類。現在は再生産よりも製造中止品の在庫製品を購入する顧客が多い。そこで重要となるのが、確かな品質の製品供給だ。
製品の技術サポートや品質管理を担当する日本営業本部の渡辺桂三テクニカルセールスマネージャーは「顧客は長期保管された製品を購入する場合もあり、製品に不良がないかを心配される。安心・安全に使用してもらえるよう、徹底した品質管理を行っている。解析ラボも有しており、試験設備を用いた検証も行っている」と話す。
検査設備を用いてパッケージ内部も検査
顧客の懸念事項として挙げられるのが①デートコード(部品の製造年月日)②ウィスカー発生の有無③リード端子の酸化④パッケージ内部の断線⑤はんだ濡れ性や電気的性能の劣化――など不安は尽きない。これらの不安を解消するため、同社では分析機器を用いた製品検査や実装後の動作確認を行うなど、さまざまな試験を行っている。
ウィスカーは金属表面に自然発生する金属単結晶の突起物。主に錫や亜鉛めっきなどに発生する。同社では光学顕微鏡や走査電子顕微鏡を用い、ウィスカー発生の有無を検査している。蛍光ⅹ線分析装置を用いてパッケージ内部も検査。ワイヤの断線やリードの変形が無いかを確認する。
また実際に基板実装による導通検査も実施。はんだの濡れ性やチップの浮きなどを検査し、電気的特性も確認している。
デートコードは品質を示す指標ではない
渡辺マネージャーは「デートコードを気にする顧客も多いが、デートコードはあくまでも製造年月日で品質を示す指標ではない。当社の検査では最も古い製品で17年前の製品を検査したが問題は無かった。製品在庫はすべて、半導体メーカーが推奨する保管条件に合わせて保管している。顧客には安心して購入して欲しい」と話す。
再生産の場合も半導体メーカーから提供されるテストプログラムに沿った試験を実施。テストプログラムが無いい場合はデータシートに合う仕様に作り込み、他製品と同様の品質管理を行う。
同社では顧客の不安を解消するため、製品の保管方法などの提案も行っている。顧客から寄せられる声に耳を傾け、きめ細やかなサービスを提供する。
ロチェスターエレクトロニクスについて
米国マサチューセッツ州ニューベリーポートに本社を構え、世界の主要マーケットでサービスを提供している。日本では、営業本部の東京のほか、大阪にセールスオフィスを置き、地域に根差したきめ細かな顧客サポートを行っている。メイン事業である「EOLビジネス」は、ダイ換算で120億個以上のウエハ在庫を持ち、7万種類を超える製品展開が可能。これまで2万種類以上の再生産実績がある。設計、ウエハ設計、組立、テスト、IPアーカイブなど、製造サービス全般をターンキー・ソリューションとして提供することで、短期間での市場投入を実現する。