2019.10.07 パナソニックが茶筒の老舗「開化堂」と共創、ワイヤレスSP開発

パナソニック デザイン本部の臼井本部長と開化堂の八木社長(右)

伝統工芸・手作り茶筒の匠の技(開化堂・八木会長)伝統工芸・手作り茶筒の匠の技(開化堂・八木会長)

パナソニックと京都の手作り茶筒の老舗「開化堂」(京都市下京区、八木隆裕社長)が共創し、このほどワイヤレススピーカ「響筒(きょうづつ)」SC-KKL01(税別30万円)を開発した。限定100台で11月8日から開化堂で発売する。 「響筒」は、伝統工芸の匠の技と最先端のデジタル技術を融合した製品で、手のひらで音が響く、新たな音楽体験を生み出す。 パナソニックでは15年から、同社の家電デザイナーが京都の伝統工芸の継承者とともに、日本の感性とモノづくりの原点を探り、新たな家電を研究する共創プロジェクト「Kyoto  KADEN  Lab.(京都家電ラボ)」を立ち上げ、様々なプロトタイプの開発を進めてきた。商品化は「響筒」が初となる。 パナソニック デザイン本部の臼井重雄本部長は「モノの所有が豊かさだった時代から、次の100年を見据えた新たなモノづくりは何かを問い直し、プロジェクトを進めてきた。開発に携わったメンバーの思いが詰まった商品だ」と話す。 「響筒」は、デザイン主導による商品開発の新たな取り組みでもある。所有することでの満足にとどまらず、五感に響く音と、素材の真ちゅうに触れるほどに色合い・光沢が増し、自分だけの逸品へと進化していくような、新たな体験価値を提供する。 「響筒」は、開化堂の茶筒ならではの密閉性を生かし、手作り茶筒のふたを開けると茶葉の香りが広がるように音が立ち上がり、ふたを閉じる時はふたが重力に従ってゆっくり滑るように落ち、音を上品にフェードアウトさせる。 生産した宇都宮の工場に開化堂の八木社長、八木聖二会長と親子二代の匠が出向き、一台一台篏合(かんごう)調整して、最先端デジタル技術と匠の技が融合した今までにないモノづくりになった。 100台限定販売のうち、30台に限り先行予約を受け付けている。