2021.05.21 クリエイティブテクノロジー・辰己良昭社長日本の伝統文化と最先端技術が融合歌舞伎役者・坂東彦三郎さんとアタライナの魅力を語る

辰己社長(左)と彦三郎さん

 クリエイティブテクノロジー(川崎市高津区)は、独自の静電チャック技術のノウハウを生かしたユニークな電化製品ブランド「ataraina(アタライナ)」を展開している。昨年、独ベルリンで開催された「IFA(国際コンシューマ・エレクトロニクス展)」にも出展し、アタライナを世界にアピール。辰己良昭社長がスピーチしたIFAプレスカンファレンスでアタライナのPRビデオを披露し、日本の伝統文化・歌舞伎と最先端技術が融合した華やかな映像で世界50カ国の報道関係者の視線をくぎ付けにした。ビデオで主演を務め、アタライナのリアルユーザーでもある歌舞伎役者・坂東彦三郎さんと辰己社長に撮影秘話やアタライナの魅力について語ってもらった。

辰己社長

 ―お二人はもともと友人同士だそうですね。

 辰己社長 行きつけのバーで偶然、隣り合って座ったのがきっかけとなり、12年来の飲み友達です。
彦三郎さんはまじめで端正な方。若手役者をリードしてこられた面倒見のいい一面も。声の艶やセリフの言い回しといった魅力は、歌舞伎役者の中でもトップだと思います。

 彦三郎さん 新型コロナウイルス流行前は、辰巳社長は毎月、私の公演を観に来てくださっていたんです。空港から劇場に直行し、公演が終わったらまた海外へ行かれる。フットワークが軽くオンオフの切り替えがうまい一方、情に厚い方でもありますね。

 ―彦三郎さんは、20年9月のIFAで披露されたアタライナのイメージビデオに出演されていました。

 辰己社長 「メイドインジャパン」のアタライナを、日本のシンボルである歌舞伎を通じて世界にアピールしたいと考え、彦三郎さんに出演を依頼しました。
 VTRは20年8月に撮影。台本はなく、「こういう映像にしたい」と箇条書きでお願いしました。

 彦三郎さん IFAは世界的に有名でかなり大規模な展示会だそうですね。現地で多くの方に映像を見ていただき光栄です。

 ―歌舞伎の舞台と比べ、撮影はいかがでしたか?
 彦三郎さん 歌舞伎は2000人の観客に対して演じますが、撮影では1台のカメラに向かって演じることになります。また、舞台上では観客の目に入る、体の「平面」を美しく演じようと意識していますが、撮影ではさまざまなアングルから捉えられます。頭を柔らかくして自分の引き出しをフル活用し、皆でアイデアを出し合いながら映像を作り上げていく、貴重な体験でした。

彦三郎さん

 夜中までかかった大がかりな撮影でしたが、公演の中止が続く中で久々の歌舞伎とあり、事務所のスタッフや弟子も含めて、歌舞伎ができることをとても喜んでいました。当時はコロナ禍で稽古場を借りられず、準備もできない状態からぶっつけ本番で撮影に臨んだほどでしたから。

 ―歌舞伎界への新型コロナの影響はどのような状況ですか?

 彦三郎さん 20年3~6月は公演ができない状況でした。現在も感染症対策を徹底しています。このような状況で公演を楽しみにしてくださっている方のために、今まで以上に真剣な気持ちで舞台に上がっています。

 新型コロナのせいで何かをやりづらくなったというわけではなく、以前とコンディションの作り方が変わったのだと捉えています。このような時代だからこそ、新しいことに挑戦するのではなく今の状態をキープしていきたい。新しいものの方が刺激的ですが、変えてはいけないものを守っていく必要があると強く思っています。身にまとうよりも削いでいくイメージですね。

 初めての試みとして歌舞伎役者でオンライン会議をしたのですが、大変でしたね。世代が幅広いので準備も容易には進みません。会議ではディスプレイに歌舞伎役者が40人映っていて、全員がしゃべっている状況でした(笑)

 ―彦三郎さんはアタライナのリアルユーザーだそうですね。

 彦三郎さん 初めてアタライナ製品を使ったのは20年2月でした。それ以前から辰巳社長に話を伺っていたのですが、どのような製品なのか想像がつきませんでした。

 ―実際に使ってみて、どうでしたか?

OiSHiを首に下げた彦三郎さん

 軽くて持ち運びできる空気清浄器「OiSHi(オイシイ)」はデザインがシンプルで、首から下げても悪目立ちしないのがよいですね。
 子どもに持たせることもありますが、私は楽屋や移動中に使っています。化粧が付いてサイケデリックな見た目になるほど気に入って使っていますよ(笑)
 楽屋で上半身裸になって化粧をするのですが、今は感染症対策として常に換気しています。冬は寒すぎて体が動かなくなるほどですが、喉への負担を避けるため暖房器具を使えません。
 そんなときにオイシイが活躍しています。アロマタブレットで良い匂いを楽しめるのもいいですね。
 色んな香りがありますが、一番のお気に入りはグレープフルーツ。すっきりして目が覚める感じ。リラックスし過ぎる香りだと舞台の緊張感がなくなってしまいますから(笑)
 着物は別の役者も使うので、アロマの香りが着物に移らないのも好印象です。

彦三郎さんも愛用中の「OiSHi」

 昔はペットボトルの水をわざわざ買うなんて考えられませんでしたよね。同じように、これからは「空気を買う」時代になるのではないでしょうか。オイシイで「おいしい」空気を持ち運んでほしいですね。

 辰己社長 オイシイのファンを増やすため、近く「オイシイ倶楽部」を始めるんですよ。アロマタブレットや交換用フィルターをお得に定期購入してもらうサービスです。彦三郎さんには是非「オイシイ大使」になってもらいたいな。

 彦三郎さん なんだか私が食いしん坊みたいですね(笑)。

 ―彦三郎さんは静電気で紙を貼り付ける次世代型掲示板「ESCLIP(エスクリップ)」や靴用除菌脱臭機「DEODRANT ONE(デオドラントワン)」も愛用されているとか。

 彦三郎さん そうなんです。エスクリップは事務所で使っています。書類や請求書、リストなどを整理して貼り付けることができ、私の番頭が重宝しているみたいです。
デオドラントワンは子供の靴にも使っています。走り回って汗をかきますが頻繁に洗えませんから便利ですよ。

書類の整理に便利な「ESCLIP」
靴用除菌脱臭機「DEODRANT ONE」

 辰己社長 IFAのVTRの中で、彦三郎さんが脱いだ靴の臭いを嗅いだ黒衣が顔をしかめるコミカルな演技が、海外の方にすごくウケたみたい。

 彦三郎さん 黒衣は私の弟子が務めたのですが、名演技だったのがムカつきましたね(笑)

 辰己社長 今年もこのVTRでアタライナをアピールしたいですね。続編も作りたいな。

 彦三郎さん 体力づくりしておきます(笑)

 ―辰己社長、IFAで注目を集めた空飛ぶ空気清浄機「Flying Magic Cleaner」の開発状況はいかがですか?

 辰己社長 4月上旬に飛行試験を無事に終えました。機体はフランス人のデザイナーが手がけています。夏には販売開始する見込みです。

 ―最後に、「アタライナ」のこれからに向けて、彦三郎さんの期待を聞かせてください。

 彦三郎さん 「アタライナ」の名前のとおり、「あったらいいな」という製品をこれからもつくってほしいですね。パーソナルな時間が増えつつありますが、個人の時間を快適にする電化製品が生活に浸透していない気がします。クリエイティブテクノロジーがパーソナルな家電を切り開いてくれることを楽しみにしています。