2021.12.09 「クロスセンター」でDXの共創加速三菱電機、本社内に展示・デモ施設
開設されたセンター
三菱電機は9日、DX・スマートシティが主テーマの展示場「XCenter(クロスセンター)」を、本社が入るビル(東京ビルディング、東京都千代田区)に開設した。産官学の担当者や研究者など、三菱電機のソリューションに関心を持つ人たちを予約制で招き、技術・製品を体感してもらい、共創活動を推進する狙い。
クロスセンターは約270平方メートル。SDGsも念頭に、テーマとして、アクセシビリティー(移動など)、サステナビリティー(資源活用など)、ダイバーシティー(多様性)、レジリエンシー(安全や安心など)という4つを設定。開発中のものを含め、当面17のソリューションをデモや実機で紹介する。関心を持った関係者については、ニーズにあわせて各事業部門のPoC拠点に誘導するという、ゲートウェー(橋渡し)役も担う。
この日、内部が報道陣に公開され、オンデマンドの自動運転管制サービスや、複数のロボットの協働作業のデモ、AI(人工知能)を活用した建設業支援、高齢者らの見守りなどが披露された。三菱電機が持つ知財・技術領域のマップや、大型スクリーンの映像なども紹介。アンケートやディスカッションエリアも設けている。今後も順次、最先端ソリューションに入れ替えるほか、オンライン対応も含めサービスを拡充していく。
運営するのは、同社のビジネスイノベーション本部。各事業部が取り組まない事業の創生(飛び地)や、単一の事業本部では取り組みにくい事業モデルを構築する「事業」部門としての役目と、全社の連携やDXなどをリードする「コーポレートスタッフ」部門の役目という、二つの機能を兼務している新設組織。先に発表した五つの事業の柱も視野に、「従来はともすると、良い製品さえ作っていれば、という発想になりがちだった。それを改めて、お客様に寄り添い、バックキャストで取り組む契機にしたい」(松下聡・専務執行役ビジネスイノベーション本部長)という。
「来場者にソリューションを体感してもらい、アイデアを出し合って課題解決の糸口を見つける場として活用いただき、協働してPoCを進めたい」(同)。当面、三菱電機やグループ社員を経由しての予約制とし、年間500組前後、3000人程度の受け入れを想定する。
(10日や後日の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報予定です)