2021.12.27 【電波時評】冬の時代の官僚たちへ 春を呼ぶ芽

 今年ももう年の瀬である。間もなく引退の身として取材メモを振り返る。仕事柄、中央省庁も取材先にしてきた。今年は総務官僚の不祥事も大きく取り沙汰され、関係業界も動揺した。この四半世紀、官僚の権威は凋落(ちょうらく)、城山三郎が描いた官僚たちが夏を生きたとすれば、今彼らが生きているのは冬だ。

 小欄では3年前から未来社会開拓概念のバリューデザイン論やイノベーション論を扱ってきた。触発されたのは当時総務省から内閣府に出向していた宇津木...  (つづく)