2022.01.31 富士電機がSiCパワー半導体増産へ青森県の生産拠点に設備投資

 富士電機は、パワー半導体の生産拠点の一つである富士電機津軽セミコンダクタ(青森県五所川原市)に、SiC(シリコン・カーバイド)パワー半導体の増産に向けた設備投資を行い、2024年度に量産を開始する。

 同社は23年度を最終年度とした5カ年中期経営計画(19~23年度)で、パワー半導体に合計1200億円の設備投資を発表。Si(シリコン)8インチウエハーの前工程生産ラインを中心に設備投資を行っているが、電動車や再生可能エネルギー向けの需要増加を背景に、SiCパワー半導体への投資も含めてパワー半導体への設備投資額は1900億円まで拡大する見込み。

 SiCパワー半導体は、SiC素材を使った、次世代のパワー半導体。現在はSi素材を使ったパワー半導体が主流だが、SiCパワー半導体を使うことで、搭載機器の省エネと小型・軽量化を実現する。

 同社は、24年度のパワー半導体市場(同社が対象とする市場)を2兆円、うちSiCパワー半導体が約8%を占め、21年度から24年度のSiCパワー半導体の市場成長率は17%以上になると予測している。

 同社はこれまで、鉄道車両向けのインバーターや、太陽光発電所の電力変換に使われるパワーコンディショナーなど向けにSiCパワー半導体を開発、適用している。市場の拡大が見込まれる電動車向けにも適用範囲を広げ、脱炭素社会の実現に貢献する。