2022.02.01 【コネクター特集】製品動向携帯端末用
小型携帯機器向けの5Gミリ波アンテナモジュール中継用コネクター
高機能端末向けの開発に注力
コネクターメーカー各社は、スマートフォンやタブレット端末、ウエアラブル機器といったの高機能携帯端末向けの小型・高性能コネクターの開発に力を注いでいる。
最近の世界のスマホ市場では、第5世代移動通信規格5G化を背景に、端末の高機能化が進む。さらに今後、ハイエンド機種を中心に、ミリ波対応スマホの市場も本格化していく見通しだ。
端末の高機能化に伴い、機器内部の高密度実装化が一段と進み、内部搭載部品への小型化要求は一層強まっている。電流容量増大への対応や、完全防水へのニーズも強い。各社はこれらを踏まえ、次世代端末向けの内部接続用やインターフェース用、大電流対応などの開発を活発化させている。
内部接続用では、基板対基板コネクターやFPC接続用コネクターの一層の小型・低背化・省スペース化が進展。基板対基板用は、0.4/0.35ミリピッチなど狭ピッチ品のバリエーション拡充が進み、嵌合高さ0.5ミリメートルの超低背構造の0.4/0.35ミリピッチ基板対基板コネクターなどが開発されている。よりファインピッチの0.3ミリピッチ基板対基板コネクターも一部のスマホなどで実用化された。
FPC接続用は、0.3ミリピッチFPCコネクターの低背化や省スペース化追及とともに、より狭ピッチの0.25/0.2ミリピッチ品開発も進展している。千鳥形状の0.175ミリピッチFPCコネクターの開発なども進んでいる。
5Gスマホ向けでは、マルチRF対応の基板対基板コネクターにより、セットの小型化と生産性向上などが提案されている。
最近のスマホは内蔵バッテリーが大容量化しているため、電池以外の端末内蔵部品への小型化要求が一層強まっている。コネクターの狭ピッチ・低背・省スペース化では、接触信頼性、機械的強度、作業性などの面で従来品と同等性能を確保できる設計が不可欠。
スマホ向けデジタルインターフェース用は、急速充電用の給電規格「USB PD(パワーデリバリー)」対応や、高速規格「USB3.0(最大データ転送速度5ギガbps)/3.1(同10ギガbps)」対応の製品開発が進んでいる。USBタイプCは、最大10ギガbpsの高速伝送対応、最大5Aの大電流供給、リバーシブル嵌合などが特長で、さまざまな機器で搭載が増加している。
ウエアラブル機器用は、スマートウオッチやワイヤレスイヤホン向けに超小型・少極コネクターなどの開発が活発だ。