2022.04.05 ESGファイナンス・アワード・ジャパン積水ハウスなど金賞5社

表彰式の様子

 ESG金融や環境サステナブル経営に積極的に取り組む企業などを評価する「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の表彰式がオンラインで開かれた。投資家や金融サービスなどの5部門で、最高位の金賞計5社が選ばれた。

 環境省主催で、今回で3回目。取り組みを社会で共有して普及、拡大させることを目指している。

 同省の白石隆夫大臣官房審議官が冒頭にあいさつ。2021年11月に開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、世界450以上の民間金融機関が加盟する「GFANZ」が発足し、今後30年間で100兆ドルの脱炭素資金の供給を宣言したことなどに言及した。

 白石審議官は「脱炭素社会の実現に向けては政府の動きに加えて、民間企業の力が必要不可欠だ」と述べ、国内では「地域金融機関の取り組みが拡大しており、非常に頼もしく感じている」と激励した。

 5部門の一つ、環境サステナブル企業部門は、企業価値向上につなげながら環境にプラスの効果を生み出している活動を評価する。調味料大手の味の素が金賞に輝いた。同社は19年度の第1回、20年度の第2回でそれぞれ同部門の銅賞を受賞。今回初めて金賞に選ばれた。

 審査事務局が公表した受賞理由では「トップのリーダーシップの下、実効性あるサステナビリティガバナンス体制が構築されている点は、会社の際立った特徴として高く評価できる」などと評した。

 同じく環境サステナブル企業部門で金賞を受賞した大手住宅メーカーの積水ハウスは、08年に50年までの脱炭素を宣言した。

 国内の二酸化炭素排出量の15%を家庭部門が占めている。そのため同社は、年間のエネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ゼッチ)」の普及が不可欠だとして推進。既に供給累積は一戸建て住宅6万戸、賃貸で1万戸を超えているという。

 表彰式ではほかに銀賞計8社、銅賞計13社、特別賞8社の代表者らが賞状を受け取った。