2022.07.28 女性の悩みに対応するフェムテックの新デバイスアルプスアルパインが骨盤底筋のトレーニング支援で実証

製品利用のイメージ

 アルプスアルパインは、開発したフェムテック製品「ペリノス」の実証を展開する。経済産業省の実証事業補助対象にも選定された。女性特有の健康問題の中でも、妊娠・出産や老化に伴って骨盤底筋群が弱り、それによって引き起こされる体の不調が、女性の自信喪失や生活の質(QOL)低下、ひいては社会参加の妨げにならないようめざす一環でもある。

 自動車やスマートフォンなどに使用されるセンサー、通信デバイスなどの電子部品、システム開発を手掛ける同社。独自の技術を駆使し、新開発のセンサーは、目では見えないインナーマッスルのペリネ(骨盤底筋群)と協働するとされる腹横筋の動きを捉えることを実現した。きちんと動いているか自覚が難しいインナーマッスルなどの動きを可視化し、リアルタイムにフィードバックして、正しく効果的にエクササイズができる製品。

 筋電センサーを搭載したデバイスを下腹部に装着し、トレーニングを行う。腹横筋の動きを筋電位の変化から検出して、骨盤底筋群の動きをつかめる。独自のアルゴリズムで活性度合いを測定し、スマホのアプリで可視化するとともに、力の入れ方や運動回数をリアルタイムでフィードバックする。運動履歴も確認できるので、一人でも気軽に、また効果的に骨盤底筋トレーニングに取り組める。

 女性の社会参画が進む中、働く女性たちの健康問題を個人的な問題だけとして片付けず、力を最大限に発揮してもらうためにも、「フェムテック」を活用して心身状態の改善を図ろうとする取り組みも活発化してきている。今回の補助金の目的は、働く女性たちが、出産や更年期障害などライフイベントがもとになって、望まない離職などにつながるのを防ぎ、個人の幸福(ウェルビーイング)を向上させるとともに、企業の人材多様性を高めることなどが目的。中長期的には、企業価値を向上させることにもなる。

 同社は、2023年度の事業化に向けて実証を進めていく。今回の活動を機に、今まで以上にダイバーシティー&インクルージョン(D&I)推進活動を加速していく。
(29日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)