2020.02.17 ソーラーエッジ日本法人が国内向けの販売活動を強化 イスラエルのパワコンメーカー
評価施設開設し、初のJET認証も
イスラエルの世界的なパワーコンディショナメーカー、ソーラーエッジテクノロジーの日本法人が、国内市場での販売活動の強化を進めている。
国内の規格に適合しているかテストできる技術評価センターを設立。高い変換効率を持つ同社の「HD|Waveテクノロジー搭載単相パワーコンディショナ」が、安全性について品質を保証するJET(電気安全環境研究所)認証も初めて取得。住宅向けなど国内販売を本格化する態勢が整ったという。
国内法人は、ソーラーエッジテクノロジージャパン(横浜市都筑区)。パワーコンディショナ(パワコン)は、太陽光パネルが発電した直流の電気を家庭でも使える交流に変換する装置。
ソーラーエッジテクノロジーは世界でトップレベルのシェアを誇るほか、蓄電池なども製造し、スマートエネルギー会社として幅広く製品を手掛けている。
同社のパワコンは、直流から交流への変換効率が99%超にまで達している。熱が放出されない分、放熱部材を従来品よりも削減できるなどしているため、小型サイズで総重量も12.3キログラムに抑えられており、市場での高い競争力を持つという。
16年には太陽光業界で世界的に著名な「インターソーラー・アワード」を受賞するなど国際的な評価も高い。
また、住宅用ではモジュール1枚に、産業用で2枚に一つ設置されたオプティマイザと呼ばれる装置で、モジュールから電力を取り出しているが、その状況を遠隔で監視できるため、モジュールごとの異常を察知できる。
こうしたサービスを25年間は無償で提供しているため、「保守・管理コストの削減に寄与できる」(同社)のもメリットだ。
15年に日本法人を設立し、国内市場での販売を強化するため、さらに横浜市内の本社内に技術評価センターを18年秋に開設した。
海外で販売する製品を、日本での規制や規格に適合しているかを評価・確認するための設備で、こうした作業は多くのメーカーが外部委託しており、自社で同様の施設を有するパワコンメーカーは国内にはほとんどないという。
さらに、電気製品などの第三者認証機関であるJETの品質保証のための認証を昨年12月に取得した。
電力系統と接続されたパワコンは、停電時には安全性のため停止させる単独運転防止機能が必要な一方で、系統の若干の乱れに対しては、そのまま稼働を続ける必要がある。同社は、その両面に対応した新しいJETの基準(JET認証は5年間)にも適合している。
業界では、自家消費型の需要の伸びが期待されている。販売を推進させる態勢が整ったことで、これまでは産業用中心だった販売を、特に自家消費需要が注目されている住宅向けなどにも広げて本格化させる。
同社のパワコンには、交流側がオフになった瞬間に、オプティマイザが自動的に直流電圧を1Vに低下させるといった安全機能がある。
同社は「日本マーケットに対し、より真剣になり、いわばキックオフとなるタイミングだ。特に、自家消費などの住宅用では、安全性が重要視されるようになり、当社製品の優位性がいかせる。需要を取り込んでいきたい」と話している。