2020.04.23 【九州・山口版】各企業で入社式 誇りを持ち 未来を開く
沖縄富士通システムエンジニアリング
今春も、企業の未来を開く若人が晴れやかな表情で入社式を迎えた。新型コロナウイルスの感染対策でWebの活用や分散開催など、式や研修を従来と異なるスタイルで行った企業もあったが、企業や業界、社会の発展に尽くす思いは変わらない。先輩たちの激励を受け、使命と責任感を胸に社会人としての一歩を踏み出した。
沖縄富士通システムエンジニアリング DX推進の支え手に
沖縄富士通システムエンジニアリング(OKS、那覇市)は、前年比2人少ない9人が入社、内訳は大学院卒1人、大卒8人、男性5人、女性4人。
入社式は新型コロナウイルス感染対策を講じ、出席を管理職に限定して空間を広く取り、沖縄の暖かい気候の下、窓を開放して実施。社員向けにはライブ配信を行った。
内田伸社長は「日本の経済が難局を乗り越え成長するために、OKSは、今まで培ってきた技術、経験、ノウハウを駆使してお客さまのDX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革)推進を支えていく必要がある。OKS社員として志高くチャレンジ、努力し、お客さまとともにDXを進める人材に成長してほしい。今の皆さんは、何も描かれていない白いキャンバスのようなもの。これから無限の可能性があり、お客さまの幸せと社会の発展に知恵を絞り、汗を流せる人物になってほしい。新人には、チャレンジして失敗する権利がある。ぜひ積極的に取り組む姿勢で臨んでほしい」と述べた。
20年度中に数人の中途採用、来春は10人の新卒採用をそれぞれ計画している。
九州テン 5年後のリーダーへ
九州テン(福岡市博多区)は、前年比2人多い24人が入社した。内訳は大卒7人、高専卒3人、高卒14人。男性20人、女性4人。
入社式は新型コロナウイルス感染予防のため、懇親会を省き、ソーシャルディスタンスに配慮したものとなったが、長崎県佐世保市の本社工場で24人が元気に顔をそろえた。
間嶋力彦社長は「皆さんの元気な顔を見られて安心しています。新型コロナウイルス感染の影響で、座席の間隔は空いているが、気持ちはみんな近い。今日から社会人なので九州テン社員として誇りを持って活動し、5年後のリーダーを目指して頑張ってください」と語る。
新入社員を代表して岡本寛大さんは「九州テンの一員に加わることができ、喜びをかみ締めると同時に、大きな責任を感じずにはいられません。まだまだ未熟な私たちですが、一日でも早く一人前の社員として、お役に立てるように精進してまいります」と述べた。
当初採用計画は30人だったが、未達成部門は通年採用に切り替え、希望人数を達成した。20年度中に10人の中途採用、来春は15人の新卒採用を計画している。
九州日立システムズ 次期に向けた第一歩
九州日立システムズ(福岡市博多区)は、前年比8人多い22人が入社、今年も辞退者が少なく、予定の14人を上回った。内訳は大卒15人、高専卒1人、高卒6人。男性16人、女性6人。今回はカスタマエンジニアとして女性を採用したほか、高卒は福岡だけでなく九州内から採用している。
入社に当たって千葉健三社長は、「健康管理の徹底」「一人一人が将来へ向け具体的な目標をもって進む」「プロフェッショナルな人財として活躍」の三つを求めた。また、「創立50周年を迎える20年度は、次期50年へ向けた第一歩。地域に根差したワンストップサービスを提供し、働きがいを持てる会社として継続成長する『九州ナンバーワンのデジタルサービスカンパニー』を一緒につくっていきましょう」と語った。
新入社員代表の中川美奈さんは「何事にも誠意をもって取り組み、チャレンジ精神を忘れずに全力でぶつかっていく覚悟です。一日も早く立派な戦力として働き、新しい時代を築いていけるよう、精いっぱい努力してまいります」と述べた。来春の新卒採用は14人を計画している。
QTnet 「ハートフル」な式で
QTnet(福岡市中央区)は、前年比4人増の26人が入社した。内訳は大学院卒8人、大卒13人、高卒5人、男性17人、女性9人。
岩﨑和人社長は「当社は光ファイバを用いた通信サービスを軸に、eスポーツや地域特化型クラウドファンディングなど新たな領域に挑戦している。これまでも様々な通信サービスが誕生しているが、それは決して予測されたものではない。未来を開くためには前進あるのみであり、我々の活躍を世界が心待ちにしているという気概をもって何事にも取り組んでほしい。一緒に未来を開いていこう」と述べた。
今年は新型コロナウイルス感染対策を施した上で、演台を外し、新入社員が輪になった形で実施。従来のフォーマルな形式から「ハートフル」な内容に刷新し、新入社員も代表のあいさつではなく、一人一人の決意表明動画を作成し放映している。
当初の採用予定は20人程度で、20年度中の中途採用の計画は15人程度。来春の新卒採用は今年度同様の20人程度を計画する。
KIS 技術の変化に敏感に
KIS(熊本市南区)は、子会社のKISドットアイの1人を含め、前年比1人少ない10人が入社した。内訳は大学院卒1人、大卒8人、専門学校卒1人。男性9人、女性1人。当初予定は10人程度で計画通り。今年はインターンシップ参加からの採用が多かった。
高浜辰也社長は東京五輪の延期に触れ「6月に創立50周年を迎える今年は、歴史に、記憶に残る年になる」とあいさつ。「ITは活用されていない分野、領域がまだまだたくさんある。KISは新しい技術の変化に敏感になり、いち早くその技術を取り込んで提案・提供し、高度な人間社会を支える会社として成長していかなくてはならない。ここ4年ほど業績は向上しているが、今年度は感染症の拡大で分からない。そういう厳しい状況の中でもKISの強みを発揮し、社員一丸となり頑張っていきたい。皆さんも自分の成長、自分の目標を目指して頑張ってほしい」と述べ、「会社は、人間としての成長の場」「常に目標を持って、その目標に向かって努力し続ける」の二つの言葉を贈った。
来春も今年度と同様に10人程度の採用を予定している。
BCC デジタル社会の主役
BCC(福岡市中央区)は、前年比1人少ない12人が入社した。内訳は大卒12人。男性7人、女性5人。
田中功社長は「新型コロナウイルスの影響で世界的危機となり、記憶に残る入社式となった。今日からみなさんはITの世界に一歩足を踏み入れた。テクノロジーは少しずつ進化するのではなく、いろいろなものがあらゆる方向から不連続に出てきながら、短期間でサービスとして提供され、スピード感が必要になる。みなさんにはこのデジタル社会の主役という自覚を持って、日本を変えていくリーダーになる気持ちで頑張ってもらいたい。一緒に面白い仕事をやりましょう」と語った。
式はコロナの影響に伴い、細心の注意を払って例年と異なった形式や対策で開催した。新入社員は2メートル程度の間隔を空けて着席し、例年30人程度の参加を役員・事業本部長の7人のみで実施。式中も窓と扉を開放し換気を行い、式自体もできる限り簡略化し10分以内で終了させた。新入社員教育も会社と自宅をつないでWeb形式在宅研修を実施している。来春の新卒採用は12人を予定する。
富士通鹿児島インフォネット 柔軟な発想や行動を
富士通鹿児島インフォネット(鹿児島市)は、前年比5人少ない5人が入社した。内訳は大学院卒1人、大卒4人。男性3人、女性2人。今年度は就職活動の長期化で辞退が増えたが、採用予定数は計画通り。
松田浩一社長は新型コロナウイルスの影響を踏まえ、今年は大きな転換点になるとし、「過去の答えがそのままでは参考にならない状況で、みなさんのような新しい人が今の仕事のやり方に固執しない柔軟な発想や、新しい行動規範を広げていくことに期待する。お客さまへ新しい価値を提供できる魅力的な会社になるよう、みなさんと一緒に進めていきたい」と述べた。
新入社員代表の松崎光輝さんは「私の学生時代の専攻は水産学ですが、分野にとらわれずに常に興味と問題意識を持って仕事に取り組み、ICTを通して社会の発展に寄与することができたらと考えています。そのためにも今日のこの気持ちを忘れずに努力し、常に成長し続けていきたいと思います」と述べた。
20年度中の中途採用は5人程度。来春の新卒採用は例年通り6-10人予定している。
富士通九州システムズ 一人一人が〝考動〟を
富士通九州システムズ(FJQS、福岡市博多区)は、前年比23人少ない28人が入社した。例年35-40人程度だが、前年度が多かった関係で調整している。内訳は大学院卒8人、大卒17人、高専卒3人。男性21人、女性7人。今年度も女性が全体の3割を占めている。
石井雄一郎社長は「世界は様々な課題に直面しているが、AI(人工知能)、データ利活用、(次世代高速通信規格)5Gなどの技術革新で暮らしも社会も大きく変化しようとしている。FJQSが存在感を示していくためには、常に挑戦する心を大切にし、使命感を持ってお客さまの期待に応えていく。このことを実現するためには〝考動〟すること。一人一人が『考え』て『動く』。受け身でなく、自主自律の意識を強く持ち、何事も積極的に取り組んでほしい」と語った。
例年は役員あいさつや辞令を一人一人に手渡すが、感染防止のため、石井社長のあいさつのみに縮小。あいさつの中でも「責任を持った行動を」と社会人としての自覚を促していた。
新人研修は富士通グループのICT基盤を活用したテレワークで実施し、一日も早く考動するプロフェッショナル人材として基礎を築くことを目指す。来春は例年並みの35-40人の採用を予定している。
マイクロコート 知識と技術向上励行
マイクロコート(福岡市早良区)は、前年比1人少ない大卒の男性3人が入社した。4人程度を計画していたため、ほぼ予定通り。
松尾真悟社長は会社の行動指針、判断基準、評価基準である「社是」や「経営理念」に沿った行動で失敗してもマイナス点にはならないとし、「仕事を通して得られる知識は限界がある。社会人1年生は、一人前になるまでプライベートな時間を使ってでも知識習得、技術向上に励んでほしい。自分が素晴らしい会社、社会にすることが自身の人生を素晴らしいものにすると信じること。自らが率先してチーム、会社、社会に貢献していこうとする意志が、自らを含むより良い状況をつくり出す源泉となる。1年目だからと遠慮せず、ドンドンと情報発信してほしい」と促した。
新入社員を代表して西林弘貴さんは「会社の一員として役目を果たせるか不安な気持ちもありますが、先輩方のご助言を真摯に受け止め、向上心を忘れずに精進していく」と述べた。今年度は中途採用も計画、来春の新卒は4人程度の採用を予定している。