2024.04.03 シュナイダーが小型UPS初のリチウム採用 バッテリー寿命が従来の約4倍に
リチウムイオン採用の小型UPSを発表する今井 歩セキュアパワー事業部バイスプレジデント(右)と今野良昭マネージャー
エネルギーマネジメントやオートメーション分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するシュナイダーエレクトリックが、UPS(無停電電源装置)市場で強みを発揮しているAPCブランドで、小型UPSで初となるリチウムイオン採用のモジュラー型UPS「APC Smart-UPS Modular Ultra」を、日本国内でも1日から提供開始した。
同製品は、最大20kVAの単相としては初めてとなる、リチウムイオン採用のモジュラーコンセプトのUPSとして既にシュナイダーエレクトリックが北米にて発売を開始している。
医療機関や研究機関、工場におけるIoTネットワークや物流拠点における自動倉庫ネットワークを有する企業など、エッジ環境においても、より高度・高速なデータ処理が求められる中で、「コンパクトながら高密度、かつ拡張性の高いUPSを求める声に応えて開発された」(同社)製品。
鉛素材を採用した同等容量の同社従来UPSと比較して、サイズは約53%小型化、重量は約59%軽量化に成功している。「これにより、IT設備におけるUPSのスペース占有を極限まで抑えられることに加え、床耐荷重などの条件が限られる環境へも高密度なIT設備を構築できる選択肢を提供」(同社)できるのが特徴。
また、モジュールコンセプトのため段階的に容量の追加が可能な拡張性の高い構造となっているため、UPS単機でN+1の冗長化を実現する。
制御部、電源部、バッテリーが個別に冗長可能で、ライブスワップ機構により稼働中に各モジュールを交換することも可能。さらに、「リチウムイオンを採用したバッテリーは最長10年間の寿命を実現しており、鉛を採用した従来バッテリーと比較して約4倍」(同社)になる。このため、バッテリー交換のメンテナンスが長期間不要となり、IT人員の負荷を低減するとともに、長期的な視点で総所有コストの削減に貢献する。
樹脂素材の使用を最大限排除し、代わりにリサイクル可能な素材を用いることで、廃棄時の環境負荷も50%低減している。
今回、APC Smart-UPS Ultraのラインアップも拡大、新たに8kVA、10kVAの2容量帯も1日から追加投入した。