2024.06.27 【複合機&プリンターソリューション特集】複合機ソリューション
充実する複合機の業務改善ソリューション
働き方改革やDX支援
各社、ソリューション活発化
複合機各社では、ハイブリッドな働き方やDX(デジタルトランスフォーメーション)化を支援するソリューションを活発化させている。昨年10月からのインボイス制度(適格請求書等保存方式)の導入、今年1月からの改正電子帳簿保存法(電帳法)の義務化などの法令改正は、企業のDX化の入り口として期待されているが、中小企業では未対応のところも多い。背景には、人手不足、IT人材不足などがある。さまざまな課題に対し、各社では、働き方改革やDX化を支援するソリューションを大きく打ち出している。
リコーでは、アプリケーションを複合機とDX化が連携することで、電子化した文書を手軽に閲覧、管理、データ処理できるソリューションなどに力を入れている。慢性的な人手不足や専任IT人材がいないなどの課題を抱える中小企業のDX化は遅れているのが現状だ。国内販売を担当するリコージャパンでは、エッジデバイス、アプリケーションにサポート&サービスを組み合わせ、業種・業務課題を解決するソリューションを拡充している。
中小企業を対象にした「スクラムパッケージ」、中堅企業を対象とした「スクラムアセット」を合わせて、2023年度は前年比33%増の売り上げの伸びを見せている。「RICOH kintone Plus」なども好調だ。
富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)は、DXを加速するクラウドサービス「FUJIFILM IWpro」を、昨年11月から提供開始した。複合機との連携でDX化を推進する。主に中堅・中小企業を対象に27年度までに国内で1万社への導入を計画する。同社は、ビジネスソリューション事業のフィロソフィー「CHX(カストマー・ハッピー・エクスペリエンス)」を設定、顧客の成功体験を実現するソリューション・サービスを強化。第1弾として、中堅・中小企業のIT運用・管理業務向けに「IT Expert Services」を提供開始し、IWproでDX支援をさらに加速させる。
また、富士フイルムBIジャパンが成功事例を導入しやすいパッケージとして提案している「Bridge DX Library」も対象業種を増やし、ラインアップも拡充している。
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)では、中小企業向けIT支援サービス「HOME」やNIコンサルティングとの戦略的業務提携による「NI Collabo」シリーズを強化。「まかせてIT DXシリーズ」では、中小企業のDX実現に向け、セキュリティーや保守・運用サービスに加え、「経営支援サービス」「教育支援サービス」などにより、IT投資計画から人材育成まで支援、競争力強化につなげている。2月からは業種ソリューションとして、介護ソリューションを提供開始している。
また、業務改革とDXを支援するソリューションとして「DigitalWork Accelerator」に注力。電帳法やインボイス制度に対応している。
コニカミノルタジャパンでも、成功事例をパッケージ化したDX支援「サクセスパック」を提供している。「働きやすい環境支援」では、オフィスソリューション事業、DXソリューション事業などを通じて「いつでもどこでも働ける環境づくり」に注力する。同社では、特に中小企業をターゲットにITサービス、複合機と文書管理の連携、同社が注力するオフィス設計・デザインなど空間デザインなどに力を入れている。
エプソン販売は、プリントやコピーの使用状況に合わせてプランや機器を選べる「エプソンのスマートチャージ」が好調だ。環境への意識が高い企業や医療、サービス業、官公庁、税理士事務所などプリントニーズが高く、環境価値の効果が出やすい業種なども対象に販売を強化している。
東芝テックは、複合機本体とクラウドストレージサービス「Collastorage」との連携を強化。複合機の利用シーンをオフィスに限定することなく、多様化するワークスタイルに対応している。
シャープもスマートオフィスサービス「COCORO OFFICE」と複合機の連携を強化、電帳法などに対応したクラウドストレージサービスを拡充。京セラドキュメントソリューションズジャパン、ブラザー販売などもDXソリューションを拡充している。