2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 25年の経営戦略 エム・アールエフ 佐伯裕昭社長

佐伯 社長

タグビジネス進出、新たな提案を

 エム・アールエフ(M・RF)は、高周波部品・機器の販売とコンサルタントを事業目的とする高周波の専門商社で、特徴を生かしたカスタマーサービスには定評がある。

 同社は、米国のRFIDタグメーカー、AXZON(アクゾン)社と国内代理店契約を締結し、同社のUHF RFID温度センサータグの販売を開始した。主にコールドチェーン(冷凍冷蔵物流)用途でのビジネス開拓を目指す。

 同社はRFIDビジネスでは、韓国PHYCHIPS(パイチップス)社のRFIDリーダー/ライター(R/W)ソリューションを長年販売してきたが、タグは取り扱っていなかった。パイチップスの高感度タイプ新製品(RFIDチップ「PR7」/RFID R/Wモジュール「WINE7」)発売を機に、これらの製品にマッチしたUHF RFIDタグを製造販売するアクゾンと代理店契約を結び、タグビジネス進出を決めた。アクゾンはRFID温度センサータグの老舗で、UHF RFIDタグのリーディング企業。

 コールドチェーンは商品が消費者に届くまでの全工程を一定の低温状態で管理する物流システム。食品、医薬品、化学薬品、電子部品など温度管理が重要な商品に活用され、特に食品ロスの観点から重要性が高まっている。一方で、設備投資や運用コスト増が課題だった。

 アクゾンのコールドチェーン向け温度ロガー「AZN5200-AFR」(UHF RFIDタグ)は、世界初の貼って剝がせるタイプ(ピール&スティックタイプ)。アクティベートされると環境条件を感知しICに保存。顧客は光インジケーターで輸送中の環境条件の侵害の有無を確認可能。価格訴求力のある使い捨てタイプ。

 エム・アールエフは、パイチップスのRFID R/WモジュールとアクゾンのRFID温度センサータグを組み合わせた提案などを進める。エンドユーザーは、コールドチェーン関連(農場や物流業者など)、医療関連、データセンターなどを想定する。「本格販売に向け、システムインテグレーターなどのパートナー発掘も進める」(同社)。