2025.02.03 ローム、4~12月連結は8インチ化対応などで営業赤字
ロームの2025年3月期第3四半期(24年4~12月)連結決算は減収減益。売上高は自動車市場でSiCパワーデバイス、コンピュータ&ストレージ市場ではLSIを中心に増加した一方で、産業機器市場の減収を埋め合わせるには至らなかった。営業利益は売上高の減少、生産調整に伴う稼働率の抑制、SiCパワーデバイスの生産能力増強や8インチ化対応のための固定費の増加などで赤字となった。
LSIは、自動車市場向けで電動車(xEV)向けの製品が調整局面となったが、ADAS向けやボディー向けの高付加価値商品が伸長した。民生機器市場向けは省エネ性能エアコン向けモータードライバーが引き続き好調。産業機器市場、通信機器市場向は厳しい状況。
半導体素子は、パワーデバイスにおいて自動車市場向けの売り上げがSiCデバイスで増加しているものの足元ではEVを中心に需要が低迷。産業機器市場向けの売り上げはエネルギー市場の鈍化や設備投資抑制の影響を受け減少。半導体レーザーはコンピュータ&ストレージ市場向けや産業機器市場向けで売り上げを伸ばした。
モジュールは、プリントヘッドで事務機向けの売り上げが減少したが、決済端末向けの売り上げが増加。オプティカル・モジュールはスマートフォン向けでセンサーモジュールの売り上げが増加した。
通期連結業績予想は前回の発表数値を据え置いた。足元の需要動向は依然として各市場で調整局面が継続する見込み。来年度中に市況が回復すると予想した。また、生産拠点再編の一環として、材料事業(Siウエハ事業)の撤退も決定した。