2025.03.19 【日系電子部品メーカー・商社 中国台湾拠点特集】スミダコーポレーション番禺工場 スミダコーポレーション センターラボ活用で迅速に開発

番禺工場の外観

竹島 エグゼクティブオフィサー竹島 エグゼクティブオフィサー

 スミダコーポレーションは中国で、番禺工場(広州市)を中核に7工場を展開。設計から量産までのさらなるスピードアップ、徹底した生産性向上で、付加価値の高い生産活動を実施している。

 中核工場の番禺工場は、製造に加え、プレス・成型金型の設計・製作、製品設計、生産技術開発などの機能を備え、同工場で確立した生産技術を各工場に移管するなど、同社グループのモノづくりにおいて重要な役割を担っている。

 同社グループの中国生産は、2024年は高インフレの影響や、北米仕向け製品のASEAN生産シフトなどを進めたため、全体の生産規模はやや減少した。グローバル生産に占める中国生産比率は6割前後。当面はこの水準で推移する見通しだが、リスク分散のため、長期的には比率を5割程度まで下げる方針だ。

 スミダグループの製造統括責任者である竹島広松グローバルマニュファクチャリンググループエグゼクティブオフィサーは、最近の中国における生産動向を「中国工場で生産する製品は中国国内向けに供給する製品が多く、最近は自動車産業のニーズに対応しカスタム品が増えている。一方で、欧州系車載関連顧客の中国工場向けの生産は拡大が続いている」と説明。

 「中国市場はEV(電気自動車)生産が輸出を含めて拡大しており重要なマーケット。中国では設計から量産までのスピーディーな対応が求められるため、番禺のセンターラボを活用した迅速な開発に努めている。EVやPHV向けに現地で設計開発から生産設備開発、量産までを一貫して手掛け、中国マーケットの取り込みを図る」と話す。

 25年も自動化の推進やAI(人工知能)検査の拡充、ロボット活用拡大などによるイノベーションを推進する。「自動化の取り組みでは、完全自動化や半自動化を含めハイブリッドに対応することでフレキシビリティーを高めている」(竹島氏)。