2025.05.08 オムロン、3月期連結は減収・営業増益 社会システム事業堅調

 オムロンの2025年3月期連結決算は、売上高は社会システム事業が増加したものの、制御機器事業などで設備投資需要が低調に推移し減収。営業利益は売上総利益率が改善したことに加え、構造改革プログラムの効果もあり大幅に改善した。

 制御機器事業は、減収増益。中国で太陽光発電関連投資と二次電池投資の需要停滞が継続し、欧州、東南アジアではEV(電気自動車)向け投資需要が減速し売り上げが減少。営業利益は売上総利益率の改善や構造改革を通じた固定費圧縮効果が寄与し増加した。

 ヘルスケア事業は、減収減益。中国の個人消費の低迷の影響を受けた。営業利益は売上高の減少や物流費増加の影響を受けた。

 社会システム事業は、増収増益。エネルギーソリューション事業は蓄電システムなどが好調に推移。また、駅務システム事業は鉄道各社の設備投資需要が好調に推移した。営業利益は売上高の増加により拡大した。

 電子部品事業は、減収減益。民生業界向けの需要は、欧州や日本で顧客での在庫消化の停滞、自動車業界向けの需要は欧州でEV優遇施策見直しの影響を受けた。営業利益は売上高減少などの影響を受けた。

 今期連結業績予想は米国関税の影響を配慮し、レンジ形式で開示。いずれも増収増益を見込む。「米国関税は160億円のコスト増を見込む」(辻永順太社長)。