2025.05.14 アルバックが量子コンピューター用冷凍機開発 純国産に極低温技術で貢献
希釈冷凍機チャンバー
アルバックと関連会社のアルバック・クライオは、純国産量子コンピューター向けに希釈冷凍機を開発した。この冷凍機は先月に量子研究機関の大阪大学量子情報・量子生命研究センターに設置。同コンピューターは大阪・関西万博で8月14~20日に開催されるイベントで公開される。
今回の純国産量子コンピューターは、冷凍機、制御装置、量子ビットチップといった主要な構成要素を全て日本国内の技術で設計・製造したシステムとなる。極低温環境は量子ビットの高精度な動作を支えるもの。アルバックは量子ビットの高精度な動作に不可欠な10mK級の極低温環境を、長時間かつ安定して維持できる希釈冷凍機の開発を担当した。
冷却効率の最大化と振動抑制の両立をはじめとした技術課題には、アルバック・クライオが独自の冷却流路設計や高精度な部品加工技術、温度・応力分布に関するシミュレーションなどを用いて対応。試作と性能評価を重ねて極低温で安定した冷却を実現した。
今回の希釈冷凍機が中核装置として採用され、日本初の純国産量子コンピューターが誕生。国産化により量産・拡張... (つづく)