2025.06.10 スパコン世界ランク11連覇 富岳、グラフ解析性能で
スーパーコンピューター「富岳」
富士通などは10日、同社が理化学研究所と共同開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が、実社会の複雑な現象やビッグデータなどの大規模グラフ解析性能を示す「Graph500」部門で11期連続1位を獲得したと発表した。前回6位だった計算速度を競う世界ランキング「TOP500」は7位に下降した。
ランキングは、スパコンの研究者らで作る国際会議が毎年2回発表している。Graph500の2位は武漢スーパーコンピューター(中国)だった。
産業利用などで実際に用いられる演算能力を測る「HPCG」は前回の1位から2位に、人工知能(AI)の開発で使われる計算性能の指標「HPL-MxP」(旧称HPL-AI)は前回の4位から6位にそれぞれ順位を下げた。
富士通は「横浜国立大学とともに、富岳を利用して台風に伴う竜巻の予測を可能にする気象シミュレーションに世界で初めて成功した。今後も富岳で培ってきた技術をさらに高度化していきたい」としている。
富岳はスパコン「京」の後継機。世界最高レベルのスパコンとして2021年3月から本格運用が始まり、高度なコンピューティングやAI開発などで利用されている。