2025.06.11 「転職」の次は「防御」 ビズリーチのビジョナル、サイバーセキュリティーに本格参入

サイバーセキュリティー事業への本格参入を表明するビジョナルの南社長=11日、東京都渋谷区

 人材サービス「ビズリーチ」を展開するビジョナルは11日、サイバーセキュリティー領域をグループの「第二の柱」と位置づけ、本格的に事業拡大を図る方針を明らかにした。同日の記者発表で南壮一郎社長は「HR(人材・人事)テックに次ぐ、第二創業期の目玉としてサイバーセキュリティー領域に挑戦する」と意気込みを語った。

 南社長は、近年のサイバー攻撃の高度化や重要インフラへの脅威の増加を背景に、5月に成立した新たな能動的サイバー防御法を踏まえ「国も企業も、これまでの受動的な対処療法だけでなく、能動的に自らを守る時代になった。社会全体で積極的な防御策が求められている」と指摘した。

 特に、インフラ企業だけでなく、取引先やサプライチェーン全体でのセキュリティー対策の重要性を強調。「どれだけ自社で対策を講じても、取引先経由での侵入リスクが高まっている。企業ネットワーク全体での意識改革と対策が不可欠」と語った。

 今後もサイバーセキュリティー領域への投資を拡大し、「10年後にはHRテックの企業ではなく、サイバーセキュリティーの会社と認識されるほどに成長したい」と意気込みを示した。

 同社は2009年の創業以来、プロフェッショナル人材領域で独自の人材サービスを展開してきた。サイバーセキュリティー領域への参入については「約5年前から研究開発や事業づくりに投資してきた」と説明。19年には脆(ぜい)弱性管理クラウド「yamory(ヤモリー)」をリリースし、22年にはクラウドソフトウエア「Assured(アシュアード)」を投入してリスク評価分野にも進出している。