2025.06.26 【複合機ソリューション特集】リコー 「SD」モデルでDX後押し 紙の電子化大幅促進

RICOH IM C3010SD

 リコーは、中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押しする新製品「SD」モデルの販売が好調だ。人手不足などを背景に、中小企業はDXによる生産性向上が大きなテーマ。SDモデルは、リコーのADF(自動原稿送り装置)技術と、業務用スキャナー世界でシェアトップのグループ会社、PFUの用紙搬送技術を組み合わせ、企業の課題となっている紙の電子化を大幅に促進する。

 SDは、Seamless Digitalizationの略で、新たなモデル名称としてA3カラー複合機「RICOH IM C6010SD」「同C4510SD」「同C3010SD」の3機種から採用した。アナログとデジタルをシームレスにつなぎ、データやAI(人工知能)活用を促進する製品と位置付けている。

 「リコーはデバイスとクラウドアプリケーションとの連携で、お客さまの経営課題などに対応した新たな価値を提供している。SDモデルは電子化の課題となっている特殊原稿の読み取りなど、ハード面からも差別化を実現している」とリコージャパン商品計画室の佐藤雄介氏は話す。

 SDモデルは、PFUの特殊紙・カード・不定形サイズまで幅広いメディアを安定して搬送するストレートパス搬送技術とリコーの幅広いメディアの混載時のサイズ、傾き、向きを自動で補正して画像を配信する画像補正処理技術を組み合わせ、シナジー効果によって提供価値を高めている。

 原稿に負荷をかけにくいストレートパス構造の1パス両面ADFを搭載し、業種業務固有の専門帳票の電子化を促進する。レシートや領収書などの不定形サイズ帳票の混載スキャンにも対応し、サイズを指定することなくADFからさまざまな帳票の一括読み取りも可能で、電帳法対応などの電子化作業も効率化できる。

 「特に中小企業は、人手不足などの課題を抱え、業務の効率化が求められている。SDモデルは、こうした経営課題に応える商品として発売以来、非常に好評だ」と佐藤氏。

 同社では、環境循環型複合機として「CE機(サーキュラーエコノミー機)」の名称で、A3カラー再生複合機「RICOH IM C4500F CE」「同C3000F CE」を投入している。部品リユース率を高め、搭載ソフトウエアをバージョンアップすることで、新製品同等の機能を備えている。同商品はCO₂量を「J-クレジット」制度を利用してオフセットする「RICOH カーボンオフセットサービス」にも対応している。

 このほか、フィニッシャーオプションを業界で初めて採用し、最大20枚までの針なしとじに対応したA3カラーの最上位機「RICOH IM C8010」(80枚/分)、「同C6510」(65枚/分)、限られたスペースに設置可能なA4複合機「RICOH P C370SF」などをラインアップしている。