2025.07.20 スタートアップW杯東京予選、AIセキュリティーのアカンパニーが優勝
スタートアップW杯東京予選で日本代表に選ばれたアカンパニーの高橋亮祐CEO(右)=東京都港区
スタートアップ企業が事業プランを競い合うコンテスト「スタートアップワールドカップ2025」の東京予選が18日に都内で開かれた。予選を勝ち抜き頂点に立ったのは、企業や社会が安心してデータや人工知能(AI)を活用できる社会を目指すAcompany(アカンパニー、名古屋市)。同社は、米サンフランシスコで10月に行われる決勝大会に日本代表として出場する。
企業は生成AIがビジネスにもたらす効果を期待する一方、機密性の高い情報が流出するリスクなどを懸念して積極的な活用に踏み込みにくい状況にある。そうした中でアカンパニーは、データを暗号化したまま計算できる技術「秘密計算」で、機密情報を秘匿化しAIを安全に利用できるようにするセキュリティーサービスに力を入れてきた。同社代表取締役CEО(最高経営責任者)の高橋亮祐氏は、予選のプレゼンテーションでこうした取り組みの優位性を強調し、世界一の「プライバシーテックカンパニー」を目指す決意も表明した。
優勝の栄冠を勝ち取った高橋氏は、トロフィーを手にあいさつ。「本当に優勝できてよかった。これにとどまらず、世界でも勝てるよう頑張っていきたい」と喜びをかみしめた。
スタートアップワールドカップは100以上の国と地域で予選が繰り広げられる世界最大級のピッチコンテストで、米シリコンバレーを拠点にグローバルに投資活動を展開するペガサス・テック・ベンチャーズが主催。今年で7回目となる。各地の予選を突破した代表企業は、100万米ドル(約1億5000万円)に上る優勝賞金をかけて世界大会に臨む。
今回の東京予選には、200社を超える応募企業の中から選ばれた精鋭の11社が集結し、熱いプレゼンを展開した。審査の結果、2位には、ロケットの開発から製造や打ち上げまでを一貫して手がけるインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)が選出。3位には、AIで最適な走行ルートを設定し1台の車両を「シェア乗り(相乗り)」するサービスを展開するNearMe(ニアミー、東京都中央区)が入った。今年の日本予選は、3会場で実施。すでに九州予選が5月に行われ、8月には東北予選を仙台市で開く予定だ。