2025.10.21 国内最高額の炊飯器、120台限定販売 タイガー魔法瓶

タイガーの技術を象徴する”宇宙”をイメージする高級感のあるメタルカラーシリーズ

地球をイメージした華やかなブライトカラーシリーズ(左からサンライズイエロー、オーロラホワイト、サンセットレッド)
地球をイメージした華やかなブライトカラーシリーズ(左からサンライズイエロー、オーロラホワイト、サンセットレッド)

 タイガー魔法瓶は、培ってきた炊飯技術の粋を集め、同社史上かつ現行の国内市販炊飯器で最も高額な「土鍋ご泡火炊き」JRX-BC/MC型を開発した。

 120台の限定モデルとして完全受注生産(11月4日受注開始)で対応。ブライトカラー(BC)/メタルカラー(MC)の2シリーズをそろえ、価格は税込み17万円(3.5合炊きJRX-BC06)から同20万円(5.5合炊きJRX-MC10)。

 同社の公式EC(電子商取引)サイトのみで販売する。専用の生産ラインを国内に設け、熟練工が1台ずつ最終組み立てまで行う。生産台数は1日2台のみで、納品は受注から1~3カ月程度かかる見通しだ。アフターサービスも、5年後のリフレッシュメンテナンス(無償)など、今までにない特別な体制を整える。

 炊飯器商品企画担当の辻本篤史さんは「すべてのお客さまに最高の選択肢を常に用意しておくというのが私たちの目標。日本の技術を集め、量産モデルでは実現できない、理想の食味に近づけた炊飯器を実現できた」と話す。

 ものづくりでは常に量産性がついて回る。今回はこの制約を取り払い、「理想の炊飯器を追求したい」という純粋な探求心が限定モデル開発の原点だったという。

 このプロジェクトは、社内のイノベーションを促す一環として、今までにない新しい取り組み、大胆なチャレンジを募集するシャイニング制度(社内公募制度)の中から生まれた。

 辻本さんと炊飯器開発担当の技術者である藤原武志さんの2人で公募し、採択された。藤原さんは「量産性の追求では、やりたいけれど常に捨てる技術がある」という。この”常識”から一歩踏み出し、「ものづくりの緻密さを追求した」と話す。

 追求したのは、土鍋の削り出しの精度(誤差0.09㎜以下)、6層塗装技術、熟練工による1台1台の最終調整の三つ。

 土鍋の成形には半導体製造装置にも使われる特殊な機械(マシニングセンター)を用い、20~24時間かけて1日1個を精密に削り出す。

 量産モデルの土鍋も通常の焼き物では考えられない内径誤差1mmの高精度な削り出しを行うが、リミテッドモデルの土鍋はさらに限界に挑戦し、0.09mm以下という厳しい寸法精度で仕上げる。

 熟練工による最終組立では、ふたの開閉、圧力の調整、各パーツのわずかな誤差に至るまで、手作業で微調整を行い、最高のパフォーマンスを発揮する一台に仕上げる。

 また、塗装では、樹脂に熟練の職人が一塗装では、樹脂に熟練の職人が一つ一つ丁寧に6度吹き付ける「手吹き」塗装を行い、触れた時の質感にもこだわった。

 アフターメンテでは、メーカー保証2年、制作過程のメールでのお知らせ、5年後の無償リフレッシュメンテ、特別梱包(こんぽう)仕様での納品を行う。