2025.12.16 富士フイルムHD、CDP「気候変動」「水セキュリティ」で最高評価

生産拠点の一つであるFUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp.(中国・深圳)に設置された太陽光パネル

 富士フイルムホールディングス(HD)は、国際的な非営利団体CDPが実施する調査において、「気候変動」と「水セキュリティ」の2分野で最高評価となる「Aリスト企業」に認定された。「気候変動」分野は4年連続5回目、「水セキュリティ」分野は6回目の認定となる。

 世界的に気候変動や水資源を巡るリスクが深刻化する中、同グループはCSR計画「サステナブル バリュープラン(Sustainable Value Plan)2030」に基づき、気候変動対応、資源循環の促進、生物多様性の保全、製品・化学物質の安全確保を環境分野の重点課題に掲げ、取り組みを強化している。

 気候変動対策では、「2040年度までに自社が使用するエネルギー起因のGHG排出を実質ゼロ」「30年度までに原材料調達から製造、輸送、使用、廃棄に至る製品ライフサイクル全体でのGHG排出量を19年度比50%削減」を目標に設定。エネルギー利用効率の最大化や再生可能エネルギーの導入、環境配慮設計による低炭素製品・サービスの創出を進めている。

 一方、水資源については14年度から国内外の全事業拠点で水リスク評価を実施し、水使用量の抑制やリサイクル利用を推進。さらに、地域社会と連携した水源涵養(かんよう)林や涵養田の整備など、水資源保全の取り組みも展開している。

 グループ会社では、富士フイルムビジネスイノベーションがアジア・パシフィック地域の全生産拠点で使用する電力の100%再生可能エネルギー化を達成した。

 CDPは640以上の機関投資家を代表して企業の気候変動対策や水資源管理などを調査しており、25年は約2万2100社が回答した。調査結果はESGの観点から企業活動を評価する代表的な社会的責任投資指標にも活用されている。