東芝テックと加賀電子は、小売業界向け製品の開発・製造で協業する。製品企画から製造、部品調達、セットアップまでを含む包括的な協業体制を構築し、小売業界向けに高品質な製品を安定的に供給することを目指す。

　小売業界では、店舗の利便性向上と業務効率化を両立する「スマートストア」の実現が喫緊の課題となっており、競争力強化に向けた取り組みが重要なテーマとなっている。

　両社はこうした課題解決に向け、基本合意書（MOU）を締結。今回の協業では、東芝テックが有する製品企画・開発・保守のノウハウと、加賀電子の高度な製造技術グローバルな調達ネットワークを融合。信頼性の高いハードウエアを小売業界へ安定的に供給する体制を整える。

　両社は、小売店舗の運営を支える製品の品質向上とラインアップ拡充を進め、業界ニーズに的確に応える体制を強化する。併せて、リテール領域の持続的なプロダクトライフサイクルの構築を通じ、業界全体の価値創出を目指す。

　具体的には、東芝テックが企画・開発する製品に対し、加賀電子が試作や量産化の検証を担う。部品調達については共同で検討を進め、コスト削減と安定供給の両立を図る。

　協業の初期段階では国内市場向け製品を対象とするが、中長期的には海外市場向け製品の展開も視野に入れる。両社は今後、個別契約の締結を順次進め、協業内容の具体化を図るとともに、製品開発から製造までのプロセス全体で、より高い付加価値を提供する体制構築を図る。