2026.03.02 【コンデンサー特集】ニチコン AIサーバー向け長L形アルミ電解コンデンサー開発

長L形アルミ電解コンデンサー

 ニチコンは、AI(人工知能)サーバーの電源向けに、高性能化のニーズに応える450~500V対応の長L形アルミ電解コンデンサーを開発した。長さが最大100mmの高容量・大電流に対応する。

 AIサーバー電源の消費電力量増加に伴い、同コンデンサーの員数も増加傾向。従来1台に1個だった搭載数は、現在では十数個に増加。GPU(画像処理半導体)の負荷変動に伴う瞬間的な電流変動も激しい。電源回路には電力の安定供給が欠かせず、電源ラインを平滑化する電源入力用コンデンサーの性能がサーバー全体の運用を左右する。

 新製品は、AIサーバーラックに交流240V程度で入力された電力を直流に変換する電源回路に、横向きに実装。AIサーバー用電源は厚みに制約があるため、直径を大きくせずに長さを伸ばすことで、静電容量を確保した。

 特徴は、限られた製品寸法に高容量を収容するため、高倍率の新陽極はくを採用した点だ。新陽極箔は高倍率化の一方で機械強度が低いという課題があるため、複数の生産技術を改良。薄く強度の低い陽極箔を製品幅に裁断するスリット技術、アルミリード板を冷間圧接する加締技術を改善。直径×長さが同一の素子外形寸法の中で陽極箔を最大限収納するため、薄手セパレーターや陰極箔など低強度部材を扱う巻回技術も改めた。

 長L形に特有の課題である電解液の均一浸透を実現するため、新たな含浸技術も適用。複数の生産技術の高度化で、同一サイズの従来品に比べ20%以上の高容量化を達成。業界トップクラスの性能を実現した。

 高性能AIサーバー用電源は、多数のGPUが演算負荷に応じて瞬時に大電流を流すためにコンデンサーの充放電時の電圧変動が大きくなる傾向だ。今後もAIサーバーの消費電力は増加が見込まれる。長L品の生産能力増強と自動化を進め、2028年ごろまで続くとされる需要拡大を着実に捉える。