2026.03.30 【タイ経済最新動向企画】パナソニックインダストリー タイに多層基板材料の新工場建設
新棟の完成イメージ
AI需要拡大を背景に、2030年までに生産能力2倍に
パナソニックインダストリーは、コンデンサーや銅張積層板、産業用モーターなど多種多様な製品を幅広い分野に供給している。中でも多層基板材料「MEGTRON(メグトロン)」は、AI(人工知能)サーバー向けの需要拡大により受注が好調。グローバル生産体制を強化し、2025年度(26年3月期)からの5年間で生産能力を約2倍に引き上げる。
この投資計画の要となるのが、タイ・アユタヤの生産拠点「パナソニックマニュファクチャリングアユタヤ」(以下、アユタヤ工場)。既存工場の敷地内にMEGTRON向けの新棟を建設中で、投資金額は約170億円となる。2027年11月から稼働を開始し、2028年度(29年3月期)内の量産体制を構築していく。
アユタヤ工場の野上晃一社長は「タイは現在、データセンターの建設ラッシュが続いている。AIサーバーをはじめ関連部材の生産も行われており、MEGTRONの需要もある。新棟完成後はタイおよび東南アジアへの供給基地として機能し、グローバルでの安定供給を支えていく」と話す。
MEGTRONは、高周波信号などの大容量・高速伝送に対応する多層基板材料。プリント配線板に使用され、最終的にデータセンターを構成するAIサーバーや光伝送装置、ネットワーク機器などに搭載される。低誘電率・低誘電正接を実現し、高周波信号の高速伝送・大容量通信を可能にする。耐熱性にも優れ、AIサーバーで課題となっている高温環境下での使用においても低伝送損失を実現する。
MEGTRONは現在、日本(郡山)、中国(蘇州・広州)、台湾の4拠点で生産している。アユタヤ工場が稼働すれば、5番目の生産拠点となる。同社はアユタヤ工場での投資計画に続き、広州工場にも約75億円を投じてMEGTRONの新生産ラインを増強する。新ラインは2027年4月から稼働を開始し、同年度内に量産体制を構築する計画だ。野上社長は「AIなどの最先端技術では最新の材料が求められる。MEGTRONはICT領域での実績も高く、技術優位性も高い。2030年までに生産能力を2倍にすることで、世界中で高まる需要に応えたい」と意気込む。











