2026.08.03 【コネクター総合特集】クラレ ジェネスタ事業が順調に拡大

ジェネスタ(耐ブリスターグレード用途)

 クラレは、耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」を事業化し、電気・電子分野のコネクター向けや、自動車関連(車載電装・自動車耐熱部品)を中心に実績を拡大している。

 ジェネスタは、同社が世界で初めて工業化したノナンジアミンを使用したポリアミド樹脂(PA9T)。耐熱性、低吸水性、耐薬品性など優れた特長を持つ。特長は①優れた耐熱性(融点306℃と高く高温時物性に優れる。はんだ耐熱性270℃)②低吸水性に優れ、表面実装時のブリスタ発生を防ぐ③優れた摺動(しゅうどう)性④優れた成形性など。これらの特性が評価され、年々販売規模を拡大している。

 用途別では、車のEV(電気自動車)化が進む中で、EV向けの採用がグローバルで増加。特に、耐熱性、低吸水性、高強度、加工性の高さなどが評価され、熱マネジメント関連を中心に、高電圧部品、電子制御などで採用が広がっている。電気・電子用途では、ジェネスタの低吸水・高強度特性を強みに、生成AI(人工知能)関連のサーバー用DDRコネクター向けなどで堅調に増加しているほか、パソコン向けなども堅調。

 今後も車載、サーバー関連、パソコン関連などを重点ターゲットに掲げ、機器の高機能化に向けたトレンドに迅速に対応していく。

 ジェネスタ事業では世界10カ国・13拠点に販売や技術サービスの担当者を配置。国内では技術開発拠点「つくば研究センター」(茨城県つくば市)による顧客との協創を推進する。ジェネスタ販売数量は年率10%以上の成長継続を見込む。

 ジェネスタの優れた高電圧耐トラッキング性は、ULの新規耐トラッキング性規格「UL2597」(最大試験電圧900V)に基づく試験により確認されている。生産体制は、国内2拠点に加え、23年からはタイ工場での生産も始まり、順調に立ち上がっている。現在の年間生産能力は国内が1万3000t、タイ工場が1万3000tで計2万6000tの能力を整備。コンパウンド能力では年産約4万tに達する。