2026.10.16 日立GLS、データセンター向け空冷式チラー発売へ 運用最適化を支援

空冷式チラーユニット「AIXROSS」

 日立グローバルライフソリューションズ(GLS)は、データセンター向け空冷式チラーユニット「AIXROSS(アイクロス)」を2027年4月から受注を開始する。生成AI(人工知能)の普及に伴うサーバーの高密度化や高発熱化に対応する高い冷却能力と省エネルギー性を両立し、データセンター運営の効率化と安定稼働に貢献する。

 AIの普及に伴い、データセンター需要が急増する中、生成AIの処理を行う画像処理半導体(GPU)を搭載したサーバーなどIT機器の高密度化・高発熱化が進み、サーバーの稼働や冷却に伴うエネルギー消費などが課題となっている。同社は、業務用空調や冷熱設備の開発・保守の知見を生かし、アイクロスを通じて課題解決を支援する。

 アイクロスは、データセンター空調向けに冷凍サイクルを新たに設計することで、高外気温時の冷却能力・COP(消費エネルギー効率)を向上し、高い省エネ性を実現。受電容量や非常用発電機の容量の低減が可能だ。

 冷媒ポンプサイクルを搭載した「Hybridタイプ」では、外気温度や運転状態に応じて圧縮機サイクルから冷媒ポンプサイクルに切り替えることで、年間の電力消費量の低減に貢献する。

 データセンター需要の拡大に伴い、冷却設備の設置スペースの確保も課題となる中、アイクロスはより設置スペースの少ない下吸い込みに対応可能だ。チラー本体に加え、配管やポンプなどの周辺設備を含むモジュール化の提案から導入まで、トータルエンジニアリングを提供。短工期化を実現し、データセンターの迅速な構築に貢献する。

 「高速起動モード」使用時は、停電復帰後の定格容量運転までの所要時間を短縮した。チラー内蔵冷水ポンプは外部の無停電電源装置(UPS)に接続可能で、停電時のデータセンターの安定稼働を支援する。

 データセンターではサーバーが段階的に導入されることが多く、熱負荷が小さい初期から中期にかけても安定した稼働が求められる。複数のモジュールで構成されているアイクロスは、熱負荷に応じて稼働台数を制御でき、運用初期の低負荷時でも安定した運転が可能で、データセンター運用の冗長性を確保する。

 アイクロスは、冷媒ポンプサイクル搭載のHybridタイプと冷媒ポンプを搭載しない標準タイプをラインアップしている。