コネクタ各社は、中長期の市場拡大が期待されるFA／産業機器や5G通信インフラ、データセンター、4K／8K映像システム、監視カメラ／セキュリティシステムなどに対応する、コネクタの新製品開発や製品ラインアップ拡充に力を注いでいる。

　製造装置や工作機械、産業用ロボットなどに使用されるインターフェイスコネクタは、マシンの小型・高性能化に対応するため、小型・堅ろう・長寿命・高速通信対応などが重視される。加えて、スマートファクトリー化やIoT化で機器間通信の高速化や多機能化ニーズが強まり、一層の多極化や高性能化が求められている。

　産業機器用丸型コネクタでは、ワンタッチロック嵌合方式の防水丸型コネクタなどの提案が進んでいる。ワンタッチロック方式により嵌合操作性に優れ経年変化によるねじの緩みも解消されるため、信頼性やメンテナンス性向上に貢献する。汎用のRJ45ジャックと比較し、レセプタクル体積の大幅な削減を実現するワンタッチ完全ロック式の産業機器向けインターフェイスコネクタの提案なども進められている。

　国内外で普及期に入った5G基地局向けでは、防水小型光インターフェイスコネクタや、45ギガヘルツ対応高周波同軸コネクタ、5G基地局で要求される放熱性向上ニーズに対応するFAN用フローティングコネクタなどが提案されている。

　産業機器の電源部接続に使用される電源用コネクタは、200A／250A対応などの大容量化への対応や、従来品と同等の電気容量に対応しながら小型化を図った製品開発などが進む。安全性向上のため、コネクタの堅ろう性や防水性能向上も重視される。

　各種産業機器や画像機器向けに、フローティングコネクタの開発も進められている。SATA規格相当の高速シリアル信号伝送が可能な高速伝送対応0.5ミリピッチフローティングコネクタや、ファインピッチ化を追求した0.4ミリピッチフローティングコネクタなどが製品化され、多様な取り付けニーズに対応した製品バラエティや極数展開が進む。

　通信インフラ関連では、5Gをはじめとする次世代高速大容量インフラ向けに、56ギガbps／28ギガbpsなどの超高速伝送に対応したハイスピード対応コネクタなどの開発が活発。

　4K／8K放送機器用では、12G-SDI伝送対応BNC同軸コネクタや高速伝送対応光コネクションの開発が進む。8Kの機器間接続では数多くの同軸コネクタが必要となるが、これを代替するため、U-SDI対応の多芯光ケーブルによる一括接続の提案などが進み、一部実用化されている。石英ファイバに加え、じん性や施工性、安全性などに優れるプラスチックファイバによる光コネクタ開発も進展している。

　医療機器向けでは、MRI（磁気共鳴画像装置）やCTなどの画像診断装置向けに、高速画像伝送用コネクタ技術の応用が進められているほか、手術関連分野向けに滅菌処理に耐えられる特殊ケーブルアセンブリの提案などが進んでいる。