2021.07.28 【九州・山口版】製造・商社 下期の取り組みアイ・ティ・ファクトリー 「POP-KC」で稼働率向上へ

石原 社長

 IoT機器の製造・販売を手掛けるアイ・ティ・ファクトリー(福岡市南区)は、工場の見える化を実現する工場機械稼働チェッカー「POP-KC」の販売に力を入れている。

工場の「見える化」

 非稼働時の理由を入力できることが特徴で、停止理由ごとの時間や回数が分かる。製造装置からの信号入力で稼働・非稼働時間や最大16種類の非稼働理由を収集できるほか、汎用接点入力で周辺装置がONになる回数や時間、電力や水の使用量などのデータも収集可能。機械の稼働管理を常時行え、作業工程の改善や全体の見える化に寄与する。

 同製品で収集されたデータは、Wi-fiでMY-SQLのデータベースに書き込まれ、産業技術総合研究所が開発したソフトウエア「MZ Platform」などを使用して、端末への画面表示を作成できる。

 同製品について、石原修社長は「PDCAサイクルにおけるC(チェック)の段階を担う製品」とし、「工場稼働率の向上を図るためには、機械の稼働について正確な情報が必要。POP-KCは細かな情報まで効率良く収集できるため、改善に役立てていただける」と胸を張る。

「同社の集大成」

 石原社長は「本当は現物を見ていただきたい」と話し、顧客へのヒアリングや経験を基に開発した同製品を「同社の集大成」と位置付ける。現在は新型コロナの影響で展示会などが軒並み中止となり、披露する機会が乏しい。オンラインでの紹介には限界があるといい、今後は販売方法も模索していく。

 価格は10万5600円(税込み)から。ハンディスキャナーや出力機能オプションをセットにした商品も展開している。

 3月からは一部のハンディスキャナーでQRコードの読み取りへの対応も可能になり、より扱いやすいオプションで作業効率化に貢献する。

 昨年12月の発売以来、7月現在で全国の企業6社への納入実績。今後はユーザーからの要望も聞きながら、新たな機能を追加していくとしている。