2021.09.24 【九州・山口産業特集】九州テンIoTゲートウェイ12月発売、Linux/RTOSマルチOS採用

QRIoTⅩ(試作機)

 九州テン(福岡市博多区、間嶋力彦社長)は、12月にIoTゲートウェイ「QRIoTⅩ(キュリオットテン)」をリリースする予定。

 LinuxとRTOSのマルチOSを採用していることが特長で、エッジ機能を簡単に実装できる。収集した情報を分析して必要なデータのみを判別してクラウドへ送信できるため、サーバー容量や通信コストの削減に貢献する。

 「2018年にリリースした『QRIoTⅡ』の上位機として展開する。マルチOSならではの強みがある」と小野光男マーケティング&セールス本部長は話す。

 Linuxだけでは実現できない高速サンプリングや正確なタイムスケジュール機能を実装できるほか、RTOSでの処理中にはLinuxをスリープさせ稼働時間を短縮し、消費電力の削減が可能に。互いのOSを監視することで、システムへの高い信頼性の保持を実現する。

 BLE、USB、LAN、RS-232C/485、DI、DO、アナログなど多様な外部インターフェースを持ち、1台からシステムを構築することができる。

 「社会全体でIoT化が進み、お客さまの間でマルチOSやエッジ処理、自由なカスタマイズへのニーズが高まったことがきっかけ」であったと小野本部長は開発の経緯を説明する。

 営業担当者がユーザーからくみ上げた声を基に、長崎県佐世保市の同社工場に拠点を置くIoT技術開発室が開発に取り組んだ。

 現行品のQRIoTⅡが幅広い分野で活用される中、QRIoTⅩは特に遠隔操作を行う施設の管理者や製造業など、データ収集を必要とする業種からの関心を集めている。

 今後は、エッジAI機能の搭載やローカル5Gへの対応を検討。工場ラインの制御や故障予知といったソリューション提供も実現したいとしている。

 販売台数は4年で1万8000台を見込んでおり、展示会やホームページなどでのプロモーションに力を入れていく。小野本部長は「この製品を通じて、お客さまのDX化に貢献していきたい」と語った。