2021.10.21 【あかりの日特集】全国小学生ポスターコンテストで啓発活動スカイツリーで表彰式
「あかりの日」全国小学生ポスターコンテスト表彰式の様子
最優秀賞・徳島市立助任小学校1年の伊勢巧都くん
「あかりの日」委員会が毎年開催し21回目を迎えた、「あかりの日」全国小学生ポスターコンテスト。今年の表彰式が16日に開かれた。1879年10月21日にアメリカのトーマス・エジソンが世界で初めて白熱電球の40時間点灯に成功したことを記念し、日本では1981年にその日を「あかりの日」と制定した。あかりへの関心を高める啓発活動を行っており、その一環として実施したポスターコンテストには今年、1138点の応募があった。
「あかりの日」委員会は、日本照明工業会(JLMA)、日本電気協会、照明学会の三団体で構成されている。毎年「あかりの日」前後に啓発活動を実施しており、ポスターコンテストは子どもたちにあかりへの関心を高めてもらう活動の一環。今年は東京スカイツリー(東京都墨田区)の地上350メートル地点にある天望デッキで表彰式が行われた。
当日はあいにくの曇り空で、眼下に広がるはずの街並みは拝めずじまい。JLMAのアンバサダーで、この日の司会を務めたお笑いコンビ・パックンマックンのパックンは「350メートル(の天望デッキ)を用意してもらったのに曇りかよ!」と開口一番つっこみ、緊張した面持ちの受賞者たちを和ませた。
最優秀賞を受賞したのは徳島市立助任小学校1年の伊勢巧都君、スカイツリー賞には暁星国際流山小学校(千葉県)4年の本間悠暖さんが選ばれた。パックンに今の気持ちを聞かれた巧都君は「ものすごくうれしい」と緊張しながらも答え、悠暖さんも「いつも明るいスカイツリーに元気をもらっているので、その名前のある賞をもらえてうれしいです」と喜びを語った。
表彰式には、環境省地球環境局地球温暖化対策課脱炭素ライフスタイル推進室の岩山政史室長も参加。「家庭の照明をLEDに交換すると省エネだけでなく、快適にもなる」などと話し、地球環境を意識して「節電、節水、マイバッグ、マイボトルなどできることから取り組んでみましょう」と語り掛けた。
新型コロナ禍の前には、LED電球などを配りながら「あかりの日」をPRする街頭イベントを実施していた「あかりの日」委員会。コロナのまん延で、全国各地で実施してきたそれらのイベントは全て中止になった。継続しているポスターコンテストとともに重視したのが、SNSなどデジタル技術を使った活動だ。
今回は「あかりの日」に合わせてJLMAのウェブサイトで、21日から11月4日までの期間中、応募フォームに必要事項を記入して質問に答えると、非常灯付きや音声操作機能付きのLEDシーリングライトなどが合計91人に当たるキャンペーンを実施。SNSを通した情報発信にも努めている。
JLMA 認知度向上へ各種施策
JLMAなどは「あかりの日」の認知度向上に努めているが、実際の認知度は厳しいものがある。
JLMAが9月に実施したインターネット調査では、「あかりの日」を「知っている」との回答はわずか4%。家1軒当たりのLED化率は47%で、家庭での蛍光灯などからLEDへの交換は着実に進んでいるものの、「あかりの日」をきっかけとしたJLMAの活動認知というところまでは届いていないのが実態のようだ。
ただ、IoT時代が到来し、あかりも照らすだけの役割ではなくなってきた。JLMAはその新たな価値を提案するために「CSL&HCL」というあかりの新しいコンセプトを打ち出している。
CSL&HCLは、調光調色やIoT対応、殺菌、スピーカー付きなど、「健康」「安全」「快適」「便利」という四つのコンセプトのいずれかに当てはまる照明を対象にしたものだ。
家庭内であれば調光調色を生かしてくつろぎや癒やしを実現したり、IoTを活用してスマートフォンから照明を制御したりと、現在の社会環境やニーズを反映する照明といえる。JLMAは、この定義に即した照明の出荷割合についても公表しており、4~7月で17.2%を占めるまでになった。
国内の照明市場の現況について、島岡国康JLMA会長は「昨年度より市場は回復しているが、19年までには届いていない」としつつも、「CSL&HCLが増えており、中身の質は上がっている」と強調。そこに成長戦略を見いだすべきと指摘する。
さらに、コロナ禍で増加した在宅時間によって家庭内のあかりへの関心が高まっていることから、「明るくするだけでなく、付加価値の高いあかりの世界に変えていく」と島岡会長は述べ、照明の新たな価値を追求していく考えを改めて示している。