2019.11.26 【5G総合特集】5G用部品・材料動向 基地局や端末への採用が活発化

基地局向けは小型、耐環境、メンテナンスフリーなどを配慮した高信頼性部品が求められる(写真は5G仕様チップアルミ電解コンデンサ)基地局向けは小型、耐環境、メンテナンスフリーなどを配慮した高信頼性部品が求められる(写真は5G仕様チップアルミ電解コンデンサ)

 5Gの運用が本格化する。高速、大容量、低遅延などを特徴にスマートフォンへの展開だけにとどまらず、IoTをはじめ自動車、FAなどあらゆる分野に波及し、様々なサービスが提供されることになる。電子部品業界としては、5Gを巡る基地局への設備投資、端末の開発などの動きが新たな部品市場を形成することになる。

 設備投資が動きだした基地局は、小型基地局(スモールセル)を近距離間で数多く設置する。そのため、基地局用部品も小型であることが必須の条件。しかも実装密度が高まるために耐熱性に優れ、かつ耐湿など耐環境性も求められる。

 コンデンサは、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の小型、大容量化技術が進展。アルミ電解コンデンサは小型、大容量化、125度以上の対応のチップタイプ開発に加え、低ESRを特徴とする導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、さらには135度対応の導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサといった固体電解コンデンサの採用が活発化する見通し。

 抵抗器は、抵抗値精度、抵抗温度係数、経年変化などに優れた厚膜、薄膜のチップ抵抗器、さらに耐環境性を配慮した耐硫化チップ、耐サージチップといった高機能抵抗器が求められている。

 一方、5G端末では、高速、大容量の特徴を生かして高機能化に加速をつける。そのため、MEMS技術を使った様々なセンサーの搭載点数が増えることになろう。

 また、必然と高密度実装化し、部品に対して一段と小型化を要求することになる。MLCC、インダクタ、抵抗器など主要回路部品は、0603サイズ、0402サイズといった極小チップの搭載化率が高まる。

 プリント配線板は、次世代製造プロセスであるMSAP(モディファイド・セミアディティブプロセス)採用が本格化する見通し。

 電子材料メーカー各社は、5G市場で求められる低誘電率や低誘電正接、半導体実装に耐えられる耐熱性などの特性を満たす材料開発を強化している。各社は、5Gの基地局や端末等に照準を合わせた新製品開発や既存素材の新グレード品開発などを進めることで、5G関連材料ビジネスの積極的な拡大を目指している。

 5Gアプリケーション向け材料開発では、低誘電率や低誘電正接を実現し、機械物性や耐熱性にも優れる高周波プリント基板用絶縁材料や5Gアンテナ基板材料、高速伝送用電子部品向け材料などの開発が進展。各社は、精緻な分子設計などを行うことで、優れた低伝送損失を実現できる素材開発を追求し、大容量通信の安定化への貢献を目指している。

【5G総合特集】目次

米韓中はじめ世界各地でサービス本格化
●5G用部品・材料動向 基地局や端末への採用が活発化
日本ケミコン アルミ電解コン「MHSシリーズ」 5Gスモールセル対応
KOA 厚膜チップ抵抗器「RS73シリーズ」 抵抗値許容差プラスマイナス0.1%
北陸電気工業 小型、高機能センサー品揃え拡充
トーキン ノイズ抑制シート「バスタレイド」 5G専用シートを提案
中興化成工業 低伝送損失のフッ素樹脂製品訴求
旭工芸 キャリアテープ 高信頼性の各種製品を供給