2019.11.26 【5G総合特集】中興化成工業 低伝送損失のフッ素樹脂製品訴求
中興化成工業は、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などの高機能樹脂の総合加工メーカーだ。同社は、5Gなどの高速・大容量通信に適した低伝送損失のフッ素樹脂製品の提案を強化している。
フッ素樹脂基板「チューコーフロー銅張積層板 CH2868D」は、フッ素樹脂含浸ガラスクロスのミリ波対応銅張積層板。無粗化箔を使用しながら高い引き剥がし強度を有する。
誘電率が低く、ミリ波帯での伝送損失が極めて小さい。引き剥がし強度は1.2kN/m。伝送損失は0.056デシベル/mm(CPW伝送損失76ギガヘルツ)と世界最高レベルの低伝送損失。
フィラー入りフッ素樹脂を用いて、線膨張係数を抑えたフッ素樹脂含浸銅張積層板「CH3008F」も開発中だ。5G端末用では、フレキシブルなフッ素樹脂銅張積層板「xCCF-500」を開発。誘電特性に優れる、充填材含浸フッ素樹脂フィルムの銅張積層板。超低粗度箔を用いて両面銅張している。
フッ素樹脂とポリイミドを複合したフレキシブルな銅張積層板「xCPI-500」も展開する。フッ素基板を拡販するためのボンディングフィルムの開発も行っている。
フッ素樹脂は、蛍石由来の非常にタフな材料。耐熱性や耐薬品性に優れており、260度の高温からマイナス180度までの低温でも変質しない。電気絶縁性や誘電特性、滑り特性、耐候性などの特徴も併せ持っている。一方で加工が難しい材料でもある。
同社は63年の創業以来、長年フッ素樹脂加工での課題解決に取り組んできた。一品一葉で要望に合わせた製品を供給する。
【5G総合特集】目次
●米韓中はじめ世界各地でサービス本格化
●5G用部品・材料動向 基地局や端末への採用が活発化
●日本ケミコン アルミ電解コン「MHSシリーズ」 5Gスモールセル対応
●KOA 厚膜チップ抵抗器「RS73シリーズ」 抵抗値許容差プラスマイナス0.1%
●北陸電気工業 小型、高機能センサー品揃え拡充
●トーキン ノイズ抑制シート「バスタレイド」 5G専用シートを提案
●中興化成工業 低伝送損失のフッ素樹脂製品訴求
●旭工芸 キャリアテープ 高信頼性の各種製品を供給