2021.11.17 【InterBEE特集】幕張メッセできょうから開幕ハイブリッド型で開催

2019年のInterBEE会場の様子

 日本随一の音と映像と通信のプロフェッショナル展「InterBEE2021(インタービー2021)」がきょう17日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕する。会期は19日までの3日間。

基調講演やセミナーは全てオンライン配信

 57回目を迎える今年はリアル展示会とオンライン展示会(12月17日まで)のハイブリッド型展示会として開かれ、基調講演やセミナーは全てオンラインでの実施となる。主催は電子情報技術産業協会(JEITA)。

 あらゆる産業が、新たなデジタル技術を活用した付加価値向上のためにデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、新しいスタイルへの変革に取り組んでいる。

 2年ぶりの開催となる今年は、こうしたDX時代におけるメディア産業の新たなユーザーエクスペリエンスを提示する展示会として展開。プロオーディオ、映像、放送、通信、プロライティング、配信関連のプロフェッショナル、映像・メディア業界の技術者・クリエーター・ステークホルダーが一堂に会する場として、コミュニケーションチャットなどのツールを活用した新しい形の情報発信や情報交流の場が用意される。

コンテンツを中核

 今回も「コンテンツ」を中核とし、コンテンツを「つくる(制作)」「おくる(伝送)」「うける(体験)」の全てを網羅した、メディアとエンターテインメントのビジネス空間を提供。展示は「プロオーディオ部門」「映像制作/放送関連機材部門」「映像表現/プロライティング部門」「ICT/クロスメディア部門」の4部門で構成され、多様な出展企業が新製品や最新ソリューションを披露する。

 最新のソリューションを提案するセミナーが行われる「INTER BEE FORUM」では、主催者を代表してJEITAの綱川智代表理事・会長があいさつ。基調講演として、総務省の吉田博史情報流通行政局長が「放送政策の最新動向」、NHKの児玉圭司理事・技師長が「NHKが目指す新時代のメディア像」、全米放送事業者協会(NAB)のゴードン・スミス会長が「放送の活気ある未来のためのグローバルパートナーシップ」のそれぞれのテーマで登壇する。

 ほかにも、国内外の各分野のエキスパートがメディア・エンターテインメント業界の最新動向を提示する多彩な講演を配信する。

 さらに、各分野に特化したリアルで体験できる特別企画を用意。「INTER BEE EXPERIENCE」では、さまざまな配信における「音」に注目する。音のプロフェッショナルユーザー向けに、音声・立体音響などの業界動向最前線を語る音響セッションやプラグインソフトウエアに関するチュートリアルセミナーを特設会場で実施。

 「INTER BEE CREATIVE」では、会場で実際に撮影システムを組み立て、国内の展示会で初めてとなる、次世代映像制作のIn-Camera VFX撮影デモ展示を行う。実写撮影とリアルタイム3DCG映像をLEDビジョンに描写して撮影する手法で、世界の映像業界から次世代の映像制作手法として注目を集めている。そのほかの講演はオンラインで配信する。

 世界初のIP技術サミットの開催から4回目を迎える「INTER BEE IP PAVILION」ではIPリモートプロダクション+実体験+5Gをテーマに、ニューノーマル時代の放送技術を展望する最前線を体験できる。

 過去最大となる30社・団体が協力し、「ST 2110ベースIP中継車」「ST 2110 X 5Gリモートプロダクション連携デモ」「5G高精細・低遅延映像配信デモ」で、遠隔地からIPネットワーク回線経由で放送機材を操作してライブ番組を送出。今後を展望する最新手法による実体験を提供する。また、放送局内IP化の全経験を伝える特別講演や、13のリレーセミナーを配信。

 このほか、メタバース・XRが生み出す新たなエコシステムに関する最新情報を紹介する「INTER BEE IGNITION」や、放送と通信の連携や融合による同時配信、コンテンツのDX化など、放送業界を取り巻く環境の変化に関する問題や可能性、展望などを講演する「INTER BEE CONNECTED」のセクションでは、ニューノーマル社会におけるメディア・エンターテインメント業界の最新技術動向を多角的に届ける。

関連団体イベントも

 関係団体のイベントも併せて開かれる。2018年から同時開催している「デジタルコンテンツEXPO(DCEXPO)」(主催デジタルコンテンツ協会)では、メディア・エンターテインメントの新たな市場づくりの可能性を見いだす先端コンテンツ技術やデジタルコンテンツを体験できる多様なブース展示を中心に、第一線で活躍する専門家、研究者、クリエーターによる講演などを行う。

 今年で58回を迎える「民放技術報告会」では、全国の民放各局による技術報告を配信で実施する。