2021.12.07 1人3役の「日本初」ロボットも「スマートビル」めざす展示会 美術館さながらの「オブジェ」も

巨大なオブジェ(クラボウ)

 ビルメンテナンスや建設関連の現場も、人手不足が深刻化。業務の高効率化が求められている。東京ビッグサイトで今週開かれている「スマートビルディングEXPO」では、大手からベンチャーまで、各社がセンサー技術などを使った最新のソリューションを披露している。

1台3役のロボット(オムロン)

 オムロンのブースでは、センサーモジュール群を活用し、ビル設備・空間内の劣化といった状態をリアルタイムで「見える化」し、ビル管理・メンテで起きる突発的トラブルゼロを目指す「イレギュラーイベントゼロ」のソリューションを展開。掃除・警備・サイネージを兼務する日本初という複合型ロボット「Toritoss」や、データ活用プラットフォーム「Facility log」を組み合わせ、ビルの運営・管理も含めたトータルなソリューションをPRしている。
「様々な通信にも対応できるIoT技術や、エッジAIの技術を生かし、お客様の困りごとを解決する『コト売り』を拡充していきたい」と担当者。

 スタートアップでは、東大発のソナス(東京都文京区)が、被災度判定ソリューションのデモンストレーションなどを披露している。震度などで地域の揺れの状況はわかっても、構造物の階数などによって実際の揺れの度合いは異なる。それを細かくつかみ、復旧作業などのトリアージにつなげる狙いだ。

地震関連のソリューションの展示(ソナス)

 異色の展示は、クラボウ。竹中工務店と協業で、建設用3Dプリンティング事業に取り組んでおり、それをアピールするため両社で共同製作した大型のオブジェを展示している。縄文式土器も思わせる、ひも状の巨大な造形物。「3Dプリンターの可能性を多くの方に体感いただき、共創・協業のパートナーに関心を持っていただくのが主目的の、いわばイメージ展示です」。
(7、8日付の電波新聞、電波新聞デジタルで詳報しています。)