2022.01.31 ヤマハ発動機 工場全体を省人・最適化ワンストップスマートソリューション推進

ヤマハ発動機は工場全体の最適化を実現するワンストップスマートソリューションを推進する(「ネプコンジャパン」)

江頭 事業部長江頭 事業部長

 ヤマハ発動機は、SMT事業における「ワンストップスマートソリューション」に、FAやグループのYRH(ヤマハロボティクスホールディングス)の製品を加えた工場全体の同ソリューションの提案を加速する。

 同社のSMT事業は実装機、はんだ印刷機、基板検査装置(SPI、AOI)、SMDストレージシステム(部品自動倉庫)、ディスペンサーなど実装ラインの主力機器を全てヤマハブランドで構築可能なフルラインアップ体制と、実装ライン全体をマネジメントするIoT/M2M統合システム「インテリジェントファクトリー」により、ワンストップスマートソリューションを推進している。

 FA事業では単軸ロボット、スカラロボット、多関節ロボット、リニアコンベヤーなど自動化生産ラインに必要なさまざまな産業用ロボットを開発、製造し、協働ロボットも2022年度中には市場に投入する。同社のグループには半導体後工程と電子部品実装の融合を事業領域に、19年7月に発足した新川、アピックヤマダ、PFAを有するYRHを擁する。

 江頭綾子ソリューション事業本部ロボティクス事業部長は「これまでヤマハブランドでSMTラインが構成できる強みを当社の特徴として事業拡大に取り組んできた。今後はSMTにFA、半導体製造の後工程を加え、工場全体の省人化、最適化を視野に置いたワンストップスマートソリューションを推進する。3部門のシナジー効果の最大化を目的に、ロボティクス事業部を機能別に再編した。これにより製品の枠を超えたクロスセルにより、売り上げを拡大する」と述べる。

 組織の再編は今年1月1日付で実施し、SMT統括部商品開発部、FA統括部開発部、先行開発部を集約し「技術統括部」を新設した。SMT統括部の国内営業部、海外営業部、FA統括部営業部を新設の「営業統括部」に集約した。またスピーディーな生産・調達計画立案による最適な生産活動の実現を目的に製造部門の組織も一部見直した。

 ショールームの展開を強化し、中国の蘇州や深圳、台湾には半導体製造の後工程・SMT・FAのクロスセルが提案できる体制とした。江頭事業部長は「地域に合ったニーズを取り込むため、今後もYRHとも連携したスマートショールームやラボを強化する」と話す。

 19日から3日間、東京ビッグサイトで開催された「ネプコンジャパン」に出展し、YRHとの合同ブースを設けた。半導体後工程から電子部品実装工程のスマート化を実現するロボティクス事業全体を通したワンストップスマートソリューションを提案した。