2022.02.01 【コネクター特集】製品動向産業機器用
サーバー向けの高速伝送対応ケーブルレセプタクル
スマートファクトリー化など貢献
コネクター各社は、FA機器/産業用ロボットや半導体製造装置、5G通信インフラ、サーバー/データセンター、4K・8K画像システム、監視カメラ/セキュリティー機器などの各種産業機器用コネクターの開発に力を注いでいる。
製造装置や工作機械、産業用ロボット用のインターフェースコネクターはマシンの小型・高性能化に対応するため、小型・堅ろう・長寿命・高速通信対応などが重視される。スマートファクトリー化やIoT化で機器間通信の高速化や多機能化ニーズが強まり、一層の多極化や高性能化が求められている。
産機用丸型コネクターは、ワンタッチロック嵌合方式の防水丸型タイプなどの提案が進む。ワンタッチロックにより嵌合操作性に優れ、経年変化によるねじ緩みも解消されるため、信頼性やメンテナンス性向上に貢献する。汎用RJ45ジャックと比較しレセプタクル体積を大幅削減するワンタッチ完全ロック式の産業機器向けインターフェースコネクターなども開発。
5G基地局用では、防水小型光インターフェースや45ギガヘルツ対応高周波同軸コネクター、放熱ニーズに対応するFAN用フローティングコネクターなどが提案されている。
産業機器向けの電源コネクターは、200/250Aなどの大電流対応製品や、従来品と同等の電気容量に対応しつつ小型化した製品開発などが進む。堅ろう性や防水性も重視される。
産業機器向けのフローティングコネクター開発も進む。高速シリアル信号伝送が可能な0.5ミリピッチフローティングコネクターや狭ピッチを追求した0.4ミリピッチフローティングコネクターなどが製品化され、多様な取り付けニーズへの対応や極数展開が進展。通信インフラ用は、次世代高速大容量インフラ向けに56/28ギガbps対応などのハイスピードコネクターや高速バックプレーンなどの開発が活発だ。
4K・8K放送機器用では12G-SDI伝送対応BNC同軸コネクターや高速光コネクションの開発が進む。8Kの機器間接続には数多くの同軸コネクターが必要だが、これを代替するため、U-SDI対応多芯光ケーブルによる一括接続が提案され、一部実用化された。石英ファイバーに加え、靭性や施工性、安全性に優れるプラスチックファイバーによる光コネクター開発も進んでいる。
医療機器では、MRIやCTなどの画像診断装置向けに高速伝送用コネクターが使われている。