2022.03.02 【コンデンサー特集】ニチコン導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コン
小形リチウムイオン電池「SLBシリーズ」
高容量・高リプル化に対応、現行品の定格拡充
ニチコンは導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーで、車載や情報通信分野などで高まる高容量化、高リプル化に対応する。現行品の125度4000時間保証「GYA」、105度10000時間保証「GYB」、135度4000時間保証「GYC」の定格を拡充。それぞれにφ10×12.5Lを追加した。また、既存サイズの25~63Vに複数定格容量を用意。機器の高性能化、最適化に貢献する。
チップ形アルミ電解コンデンサーでは、5G基地局向けに対応する高温度長寿命の125度5000時間保証「UYA」を開発し、昨年9月に市場投入した。低蒸散性電解液を用い、3000時間保証寿命を約1.7倍に長寿命化した。製品内部仕様の最適化で製品内空隙を確保。座板形状の最適化により、実装部品の大型化を背景に高温度化するリフロー条件でも良好なはんだ付け性を実現した。
基板自立形アルミ電解コンデンサーは、サーバーやスイッチング電源分野などの小型化・省スペース化に応える業界最小レベルの105度5000時間保証「LGC」を10月から展開。現行の105度5000時間保証「LGX」よりも最大33%(体積比)の小型化を図った。5Gなどの通信インフラを中心に機器の使用温度範囲拡大の要求にも対応。基板自立形として業界最高レベルの高温度対応125度3000時間保証「LHT」を投入した。過酷な条件下での設置が増える情報通信機器分野や環境・再生可能エネルギー分野の高信頼電源設計ニーズに応えた。
フィルムコンデンサーは、EVやHVなどの主機モーター駆動インバーターの平滑用に最適な「EM」の搭載車種が、グローバルでの電動車普及に伴い拡大。多くの車種への採用ノウハウを生かして、車種ごとに最適な電気性能と形状をカスタム提案することができる。
電気二重層コンデンサーは、スマートメーターのバックアップ電源などで要求される高温度対応、高耐久性に応え、業界最高レベルの85度1000時間(2.5V)保証「JUH」を開発した。ドライブレコーダーへの搭載や衝撃感知式ドアロック解除システムなどの車載向けバックアップ電源用には、現行品と比較して抵抗が4分の1以下、耐久性は2倍となる2000時間の「JUA」を提案している。
小形リチウムイオン二次電池「SLB」は、エネルギー密度とパワー密度を両立。優れた急速充放電性能、低温特性、安全性と長寿命を備え、IoTやウエアラブル機器に最適な新蓄電デバイスだ。最大20Cの急速充放電性能、10Cレートで25000回以上の充放電が可能な耐久性、マイナス30度でも充電可能な低温特性を有し、エナジーハーベストなどから得られる微弱電流を低レート(0.01C)で充電できる。
破裂・発火の危険性も極めて低い。4月にはφ3.3、φ4サイズ品の量産を始め、定格を拡充する。より幅広い用途での活用が可能となり、超スマート社会実現への貢献が期待される。