2022.03.24 樹脂部材の変形を抑制する設計変更を提案TDSがシミュレーションソフト

 東レエンジニアリングDソリューションズ(TDS)は、樹脂部材の変形を抑制する設計変更を提案するシミュレーションソフトを発売する。

 4月に販売開始する「ピーディーアドバイザー(PD Advisor)3.0」は、プラスチックなど樹脂製品に適用したCAE(コンピューター支援エンジニアリング)と呼ばれるシミュレーションを行うソフト。

 樹脂製品は射出成型機を用いて溶かした素材を金型に流し入れた後、冷やし固めて加工。CAEはこの工程をシミュレーションする。

 ピーディーアドバイザーは厚みや形状に起因する変形を予測し、3.0では業界で初めて、予測を踏まえた変形対策を提示する機能を搭載した。

 形状の3次元データをソフトに読み込むだけで変形の予測結果が導かれる。

 例えば、自動車のインパネ(計器盤)の場合、CADデータを3.0に読み込むと元形状に対する反り変形のシミュレーション結果が表示。問題個所に対して、ソフトが厚み変更などの対策を提示し、再計算した結果が再度表示されるので、対策前と比べた変形量の低減効果を確認できる。CADに戻らずすぐ修正が可能なため、大幅な効率化が可能だ。

 ベテランのノウハウを継承する技術伝承に生かせるだけでなく、不良品を減らすことで原材料の無駄をなくすことにも役立てられる。

(28日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)