2022.05.17 ヴィーナ・エナジーが青森県沖で洋上風力東邦ガスや四国電力と企業連合

 アジア太平洋地域を中心に再生可能エネルギー事業を手掛けるヴィーナ・エナジーグループ(シンガポール)が、洋上風力発電開発に向けて、東邦ガスや四国電力と共同事業体を設立したと発表した。再エネ海域利用法に基づく「有望な区域」に指定されている青森県沖日本海(南側)での事業を目指す。

 ヴィーナ・エナジーは、国内では太陽光を中心に計27カ所で総発電量54万kWを稼働させる有数の再エネ発電事業者だ。熊本県などで陸上風力事業も展開している。

 同グループの親会社の投資会社は、欧州で大規模な洋上風力発電所を手掛けるなど豊富な経験を持つという。既に青森県で開発の準備を進めているヴィーナ・エナジー側が打診する形で、3月末に3社が共同開発契約を結んだ。

 事業化を目指すのは、青森県西部のつがる市と鯵ケ沢町の沖合。既に複数の共同事業体が事業化に向けて動いているという。

 同グループは、福井、佐賀、鹿児島の各県でも、再エネ海域利用法に基づく洋上風力の開発を目指している。日本法人のヴィーナ・エナジー・ジャパン(東京都港区)は「青森では太陽光や陸上風力などの開発を進め、行政などとも関係ができ、地域貢献活動にも取り組んでいる」とする。

 プロジェクトは、同グループが主導し、四国電力や東邦ガスは地元との調整役などを担う予定だ。詳細な計画は今後策定していくが、事業者として選定されれば、3、4年後に建設に着工し、6~8年後に稼働させることを想定しているという。

 東邦ガスは3月、台湾初の商用規模の洋上風力発電所として稼働するフォルモサ1への出資参画を明らかにした。「再エネ電源の主力となる洋上風力は、重要な選択肢の一つと位置付けている」(同社)。