2022.06.02 ビックが「くらし応援マイスター制度」導入販売現場を重視、従業員から募集開始
今年9月から導入する「くらし応援マイスター制度」概要
ビックカメラは2日、店舗や売り場の責任者を目指す従来型キャリアパスとは別に、接客や売り場づくりの最前線で活躍することを目指す従業員に向けて「くらし応援マイスター制度」を9月に導入すると発表した。2027年に現在の販売員の3割相当となる約1000人をマイスター認定したい考えだ。
同日からマイスター制度の募集を社内で開始した。9月までに一定数のマイスターを認定する予定だ。
新設したマイスター制度は、従来のキャリアパスとは一線を画し、販売現場を重視した新たな取り組みだ。これまでのビックは、販売員から店長、副店長などの店幹部を目指すキャリアパスであったが、今後は、マイスターを目指す方向性も選択できるようになる。
マイスターは、家電やオーディオなど総合的に提案できるコンシェルジュのような役割を担う「総合マイスター」、カメラやスポーツなどの「専門マイスター」に分かれる。専門マイスターは、カメラ、通信、時計、ゴルフ、自転車、住設、布団、お酒の8部門に細分化され、それぞれ必要な認定資格を取得する必要がある。例えばカメラであれば「フォトマスター」といった形だ。
マイスターは専門性によって3階層にレベルが分かれる。第1階層からスタートし、求められる認定資格のランクを上げたり、高い業績考課を上げたりすると、第3階層にまで上がる。第3階層はトップクラスのマイスターとして店長と同等クラスの収入を得ることが可能という。
マイスター制度の導入でビックが目指すのは、販売員の質を高めるとともに、従業員の活躍の場を広げることだ。「もともとお客さまに接客することが好きで入社した人も多い。キャリアを積む中で店長を目指していくと、お客さまと接する機会が逆になくなってしまう」(ビックカメラ)。そのため、フロア管理やマネジメントを目指す従業員は従来のように店長や副店長、接客や売り場づくりで活躍したい従業員はマイスターという選択肢を作ることを決めた。