ルネサスエレクトロニクスは6日、川尻工場（熊本市南区）が5日に一時生産を停止したと発表した。台風4号による局地的な雷雨に伴い、同日午前5時43分ごろ同工場の送電線に落雷があり瞬間的に電圧が低下する「瞬低」が発生した。

　現在は生産設備の再立ち上げを行っており 6日から一部工程で生産を再開。11日には瞬低前の生産能力に復帰する見通しだ。

　川尻工場では自動車用マイコン部品などを生産する。瞬低当時、生産中だった仕掛品は一部で廃棄が発生する見込みで、廃棄分と工場の稼働率低下による生産ロスは最大約2週間分の生産量に相当するとみられている。

　ルネサスでは瞬低に備えUPS（無停電源装置）導入などの対策を実施している。だが今回の電圧低下時間は過去10年の実績および同社の想定を超える長さとなり、約9割の生産設備が停止した。クリーンルームの機能は瞬低後も維持した。